先日、当編集部にとんでもない爆弾が投げ込まれた。まぁ爆弾とは言っても餃子のリクエストなのだが、これがとにかく危険極まりなくなんとマヨネーズをつけて食べるらしい。マジかよ、マヨかよ!
てっきりネタに振り切った餃子だと思いきや、天下の宇都宮餃子だからきっと仕上げてきているのだろう。しかも、リクエストにはマヨネーズをつけることで味に深みが増すと書いてあったからどんなもんか気になる!!
・見たことない餃子
ってことで、さっそく調査すべく通販で宇都宮「餃天堂」の餃子をお取り寄せしてみた。楽天市場だと焼餃子3箱(12個×3)で4680円。送料の方は無料だった。1個あたり130円だから、そこそこいい値段がする餃子である。
ポチッてから数日後、きれいな箱に入って餃子が届いた。「宇都宮」という文字が入っているだけで風格があり、今から期待せずにはいられない。すぐさまマヨネーズをつけて食べる餃子を作ってみよう! 開封!!
って、オイオイ……
なんだこいつぅ〜!!!!
雪見だいふく? それともマシュマロ? ってなくらい変わった形をしていて、とにかくこんな餃子は初めてだ!
形が変わっていれば作り方もちょっと変わっている。油を薄く引いて餃子の底をフライパンに押しつけるようにして並べ、水を餃子の約2/3くらい注いでフタをして中火で8分ほど加熱。そして……
中のお湯を捨て、さらにそこから……
ごま油を引いて再度フタ。2分程度中火で焼き……
キツネ色に焼き目がついたら……
出来上がりと途中でお湯を捨たり、ゴマ油を入れなければいけないのだ。とにかく油が凄まじいので、ヤケドには十分気をつけていただきたい。それでは実食!
・そのお味は?
購入した時点でタレがついていたが、楽天市場のHPにはマヨネーズに一味を混ぜてそれをつけて食べるのがオススメだと書いてあった。ならば真っ先にマヨを……とも思ったが、はやる気持ちを抑えてまずはそのまま。何もつけずに編集長のGO羽鳥から食べてみた。
こんな餃子初めてだよ〜と興奮を隠せない羽鳥であったが、一口食べたところでまさかの異変が! な、ななな、なんとイキナリ……
飛んだのだ
羽鳥「ス、スゴいよコレ……もう上のランクの餃子だよ。我々ってインパクト強いのを推しがちじゃん? それ考えると、この子はぶっちぎっているね。ヤバいよ。肉汁がヤバいのは当然として、“もちっと餃子” という名前に負けないくらい皮が完全にモチだ!」
初手から味に驚きが止まらない羽鳥。続いてタレと食べてみると、餃子単体で強すぎるから美味しさはあまりブーストされないとのこと。それなら大本命のマヨ一味はどうだ……!
ただでさえヤバいのにマヨネーズ一味をつけるという悪魔的行為をしてしまうと……羽鳥はもう立って帰れないかもしれない。でもきっとなるようになる……行こうぜ、ピリオドの向こうへ……!
ひゃっ〜〜〜〜〜!!
羽鳥「あのね……これはもうたこ焼きです。大阪で食べたトロトロのたこ焼きになりました(笑)。まぁたこ焼きって言ったら語弊があるかもしれないけど、それくらいたこ焼きに近いよね。新しい食感の世界を感じるし、新しい食べ物になっちゃってる!」
・禁断の餃子
イキナリ飛んだ上に飛び出た「たこ焼き発言」。一体、この餃子はどれくらいのポテンシャルを持っているのだろう。続いて私も食べてみたところ……
……!!!!!!
羽鳥の言うように、コレは完全にモチである。そして噛んだ瞬間に肉汁プシャーッ、さらに中身がトゥルンと入ってきて味もしつこくないから素晴らしい。なんというか餡が主張してこないのだ。
強烈なインパクトで攻めてきたかと思えば、食べ終える頃には不思議とキレイに着地。立つ鳥跡を濁さずとはこのことで、一連の流れが芸術の域に入ってしまっている。
加えて、マヨ一味をつけた破壊力も凄まじい。食べやすさとマヨ一味の犯罪的ウマさを同居させているあたり、「匠」の技が光っていて唯一無二。ジャンクすぎつつも素直に美味しいし、それでいてニンニクを使っていないところも新しかった。
これをサッカーの試合で例えるなら、もはや選手じゃなくてピッチに乱入してきたフーリガン。あまりにも禁断の暴れ馬すぎて、サッカーをするどころじゃなくなってしまうくらいヤバかった。餃天堂、これまでの常識をぶち破っておるっ……!
やっぱり宇都宮はやべぇ……やべぇよ……!
……と震えながら食べていたそのとき! 中澤記者が偶然やってきた。餃子にマヨネーズをつけて食べるんだと話したら「おもしろいっすねぇ〜」と興味を示したので食べてもらって感想を聞いてみた。
ちなみに中澤記者は当編集部の中でも確かな舌を持っている。好みは人それぞれだが、ここで評価が悪ければ羽鳥と私が単なるジャンクな味が好きな2人の烙印を押されても不思議じゃない。それだけに……
その場に緊張が走る──
中澤「うん……」
中澤「これウマいっすね」
中澤「これめっちゃウマいすね。まず皮の厚さがいいですね、マヨネーズと合ってる。少し冷えた状態だからですかね? 僕はアンチ肉汁系餃子なんですが、肉汁の出方が嘘くさくなくてよかったです。マヨネーズにアジャストしている感がありますね」
──とのこと! ホッと胸を撫で下ろした我々だったが、同時に新しい発見もできた。出来立てのアツアツで食べたら肉汁が噴射してきただけに、中澤記者のように少し時間を置くと落ち着いて食べられる……と思うのだ。肉汁がドバッと出るのが苦手な人は参考までに。
・堂々のランクイン
それにしても、さすが宇都宮。サッカーでいうところの王国・ブラジルとあって、餃天堂は餃子の概念を覆す実力を秘めていた。マヨと一味の発想の時点で他とは違うし、ワンランク上の次元で餃子をやっている。
ただ、マヨネーズの影響なのか餃子のパンチの重さがかなりのものになるから、軽い気持ちで食べるとお腹が破裂するかもしれない。できるだけお腹を空かせて食べることをオススメしたい。