「#中学生副業」「#親バレなし」など、SNSで中学生に副業を勧めるネット詐欺に気を付けて!【引っ掛からないように注意!】

INTERNET Watch

 中学生の副業を勧めるSNS投稿を見て応募し、詐欺被害に遭う事例が報告されています。実際に検索してみると稼ぎ方を紹介するウェブページがたくさん出てきます。中学生でもお金が欲しいというのは同じで、スマホで検索してしまうことでしょう。

 ブログやオウンドメディアで、中学生に転売やアフィリエイトを勧めるのは常識的にNGだと思いますが、まだ詐欺ではありません。問題はSNSです。Twitterで「中学生 副業」「#中学生副業」と検索すると大量に詐欺ツイートが見つかるのです。

 「簡単操作で1日3万円以上が稼げます」などと言って、コンタクトを取ろうとする投稿では、中学生OK、口座なし、ノンアダルト、といったキーワードが画像になって付いていました。口座なし、というのは銀行口座を持っていなくても金銭を授受できるという意味です。ノンアダルトとしているのも安心させようとする材料です。

 ハッシュタグは「#副業」「#副業初心者」などが並ぶのですが、「#推し活」「#〇〇オタ」のような文字列も付いていることがあります。これは、アイドルなどを応援する人たちは、お金を欲しがっており、その分詐欺の標的にしやすいためです。

 また、「身バレ」「親バレなし」というのも常套句です。親に隠れて稼ごうとしている中学生も狙っているのです。

詐欺投稿の例

 月に10万円、30万円などを稼げる、とうたう投稿もたくさんあります。今話題のChatGPTを活用し、ブログで稼げるという内容のツイートもありました。

 手間をかけずにアマゾンで転売する方法を教える、という投稿もありました。週1時間の労働で月に10万円を稼ぎ出せるというのです。また、中学生を自称し、「実際に稼げているので、その方法を教えます」という詐欺投稿も目にしました。「〇〇オタとつながりたい」のように、推し活をしている人をターゲットにしていることが多いです。

 さまざまなパターンがありますが、共通しているのは、具体的な作業やコストなどが書かれていない点です。全てDMかLINEに誘導します。その前に、自分のTwitterアカウントをフォローし、投稿をリツイートするように指示し、情報を拡散させようとしています。

稼げると煽り、LINEでつながろうとしてきます

 ネット詐欺師は募集してきた人のお金や個人情報を狙います。DMやLINEで話をし始めると、ノウハウを教えるなどと言って、2000円や5000円を要求してきます。ワンコイン、と謳って500円を取ろうとしてくることもあります。この場合は、何度も言い訳をして、繰り返し支払わせようとします。それだけでなく、以前に紹介した闇バイトの事例(過去記事「高額報酬のアルバイトに応募して「テレグラム」に誘導されたら要注意!」)のように、身分証の提出などを迫られて個人情報をおさえられた上で、脅迫されたり、ひどい場合には犯罪に加担させられたり、ということもあるかもしれません

 銀行口座のない中学生からでもお金を奪う方法はあります。まず、「バンドルカード」と呼ばれる年齢制限も審査もなく利用できるVisaプリペイドカードでお金を支払ってしまうパターンがあります。そのほか、PayPayを利用したり、メルカリで指定の商品を購入したり、といった選択肢があります。建前上は、中学生の副業で稼いだお金を渡す際にも同様の方法が使えるということになっています。

 次に、詐欺師が指示するサイトへ登録させようとするパターンです。「友人を誘えば〇〇ポイントプレゼント」といったキャンペーンを詐欺師が利用し、広くポイントを稼ごうとしているのです。登録先が無料サイトだとしても、中学生の労働力と個人情報が盗まれているといえます。当たり前ですが、Twitterで言っていた報酬などはもらえません。

 中学生は社会経験もありませんし、デジタルリテラシーも低く、簡単にネット詐欺師の言うことを信じてしまいます。お金は欲しいのに、小遣いが足りないとなればなおさらです。ましてや、友人・知人に副業で成功している、という人がいたら、ぜひ自分もと考えてしまうのは当然です。

 中学生のいる家庭では、ネット詐欺の被害に遭わないように、まずこの手の話を共有することです。もし、お金を払っても、サイトに登録しても、1円も返ってこないよ、と教えるのです。そして、電子マネーやフリマアプリなど、子供が小遣い以上のお金を動かす手段を持っていないかどうか、細かく確認してください。

 大人でもだまされているネット詐欺です。うちは大丈夫、などと思い込まず、今のうちにデジタルリテラシーを向上させ、被害を回避しましょう。

あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。

「被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー」の注目記事

高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「dlisjapan@gmail.com」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。

※ネット詐欺に関する問い合わせが増えています。万が一ネット詐欺に遭ってしまった場合、まずは以下の記事を参考に対処してください
参考:ネット詐欺の被害に遭ってしまったときにやること、やってはいけないこと

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