1994年の「Interop Tokyo」初開催から今年で30回目! 6月14日~16日に「Interop Tokyo 2023」開催 「宇宙へ広がるインターネット市場」など次の30年も展望

INTERNET Watch

 株式会社ナノオプト・メディアは、ネットワーク技術のイベント「Interop Tokyo 2023」を6月14日~16日に開催する。会場は幕張メッセ(千葉市美浜区)で、展示はホール4~7、講演は国際会議場で開催される。

 今年のテーマは「Refine the Technologies」。現代では、ネットワークやデジタル技術は生活に欠かせない存在となっている。さらにスマートな未来を目指すためには、今ある技術をどのように改善していくかが重要だとしている。そのため、磨くを意味する「Refine」がテーマには込められている。

 また、今回で30回目を数えるInterop Tokyoのスローガンとして「To the next 30 years」を掲げている。「インターネットの『今』への挑戦の答えを披露することに加え、次の30年先も見据えた『新しいインターネット』をお見せし、体験できる場をお届けする」という。

 注力テーマには「ネットワークインフラ」「クラウドネイティブ」「エンタープライズDX」「AI/IoT」「エッジコンピューティング」「5G/ローカル5G」「GX/SDGs」「APN(All Photonics Network)」「セキュリティ」「CX(カスタマーエクスペリエンス)」が挙げられている。

 参加費は、基調講演と展示会は事前にオンライン登録を行うと無料で、当日の登録は5000円。「Interop Tokyo カンファレンス」は有料となっている。すでに基調講演、カンファレンス、展示会場内セミナーの事前来場登録の受付がスタートしている。

基調講演

 主な基調講演としては、初日は、澤田純氏(日本電信電話株式会社 代表取締役会長)による「世界の状況とIOWNのこれから(仮)」と、村井純氏(Interop Tokyo実行委員長/慶應義塾大学 教授)による「Interop Tokyo 30回記念セッション“To the next 30 years”」が予定されている。

 2日目は、伊藤穰一氏(株式会社デジタルガレージ取締役 共同創業者 チーフアーキテクト/千葉工業大学 変革センター センター長)による「web3とAI-変革への道」、小林哲氏(ソフトバンク株式会社 法人事業統括 法人プロダクト&事業戦略本部 セキュリティ事業統括部 DevSecOps推進部 1課 課長)による「スマートファクトリーにおけるOTセキュリティの課題とは~産業制御システムの資産可視化と監視の重要性~」がある。

 また、「The Interplanetary Internet -宇宙へ広がるインターネット市場-」と題して、スピーカーとして金子洋介氏(IPNSIG Chairperson)、モデレーターとして村井純氏が登壇する。

 3日目は、西川徹氏(株式会社Preferred Networks代表取締役 最高経営責任者)による「AIが引き起こす新しいコンピューティングと、その進化を支える計算機」、森信拓氏(NTTコミュニケーションズ株式会社 プラットフォームサービス本部 クラウド&ネットワークサービス部 第一サービス部門 部門長)による「ドコモビジネス×次世代NaaSで実現する世界 ~5G×セキュリティを活かしたインフラのあり方~(仮)」がある。

主な基調講演の予定

 そのほかには、AIに関連した基調講演が多く見られる。Tomer Weingarten氏(SentinelOne Inc. Co-Founder and CEO)による「AIを活用したEPP/EDRから、XDR、アイデンティティ、クラウドセキュリティへと向かうSentinelOneの次なる進化」、和田一寿氏(パロアルトネットワークス株式会社 Business Principal、Prisma SASE)による「Prisma SASE:AIを活用した注目のイノベーション(仮)」、山﨑裕二氏(BlackBerry Japan株式会社 マーケティング部 フィールドマーケティング ディレクター)による「ランサムウェアの犠牲者が減らない知っておくべき最新の理由~事故対応例と数理モデルAIによるゼロトラストネットワークの実践とは」、井﨑武士氏(エヌビディア合同会社 エンタープライズ事業本部 事業本部長)による「ディープラーニング最前線とメタバースの活用」、スジャイ・ハジェラ氏(ジュニパーネットワークス Inc. 取締役副社長)による「AIを使ったネットワーク運用(AIOps)の最新事情、およびChatGPTの活用について」が挙げられる。

Interop Tokyo カンファレンス

 Interop Tokyo カンファレンスでもAI関連の話題が目立つ。木村真理氏(株式会社インターネットイニシアティブ クラウド本部 技術開発室 室長)、土井裕介氏(Preferred Networks 計算基盤担当VP)、浅井大史氏(Preferred Networks インフラ戦略担当VP)による「AI時代の超高密度データセンタ技術」、越塚登氏(東京大学大学院 情報学環 教授)とジャン”クリフ”チェン氏(rinna株式会社 代表取締役社長)、田丸健三郎氏(日本マイクロソフト 業務執行役員 ナショナルテクノロジーオフィサー)による「ChatGPT:データ共有と大規模汎用言語モデル」がある。

 また、ランサムウェアにより業務システムが停止した大阪急性期・総合医療センターの関係者が登壇するカンファレンス「医療機関におけるランサムウェア被害の実態と対策」が予定されている。スピーカーは萩原健太氏(地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター セキュリティアドバイザー/一般社団法人 ソフトウェア協会 理事/Software ISAC 共同代表)、粟倉康之氏(大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター 事務局 経営企画マネージャー)の2人。チェアは中西克彦氏(株式会社FFRIセキュリティ 技術本部 セキュリティサービス部長)。

 「集合住宅等インターネット劣悪環境の実態把握と改善手法」では、集合住宅のインターネット回線について議論する。インターネット接続に対応した集合住宅は当たり前になってきた。しかし、個別の世帯が光回線を契約しようと思っても「配管に余裕がない」などの理由で断られるケースがあるという。そのため都市部でも通信速度が遅く、集合住宅単位でのデジタルデバイドが発生している状態だとしている。

 このような課題を解決するため、実情を整理し、その解決に向けた活用や実現方法を議論する。登壇者は、石田慶樹氏(株式会社JPIX フェロー)、水越一郎氏(東日本電信電話 ビジネス開発本部 特殊局 担当部長)、小野寺好広氏(アレドノ合同会社 代表/デジタル庁 デジタル社会共通機能グループ GSS プロジェクトマネージャ/慶應義塾大学 SFC研究所 主席研究員)、江崎浩氏(東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授)。

 なお、Interop Tokyo カンファレンスは有料のセッションだ。3日間のうち1日間参加できる「1Dayパッケージプラン」は5万5000円だが、4月末までの申し込みで2万7500円、5月末までの申し込みで3万8500円に割引きされる。また、3日間参加できる「3Daysパッケージプラン」は11万円だが、4月末までの申し込みで4万4000円、5月末までの申し込みで5万5000円に割引きされる。

展示会

 展示会では、各社が出展している1500台のネットワーク機器を、Interopのために構築したネットワーク「ShowNet」に接続。展示品のデモンストレーションだけではなく、ベンダーが異なっても相互接続できることを確認する。

 ShowNetの見どころとして、「様々なオプティクス、セキュリティ対応製品などの登場で広がる400Gの利用シーン」「800G、1.2Tといった次世代超広帯域伝送網と光ネットワーク」「ローカル5Gデモンストレーション、Wi-Fi新規格への対応など、進化するワイヤレスネットワーク」を挙げている。

 このようなShowNetは、ネットワークを構築したNOCチームメンバーが構成や機器、技術などを紹介する「ウォーキングツワー」、展示会が終了したのち2時間かけて会場内のネットワークを解説する「テクニカルツアー&セッション」にて詳しい話が聞ける。いずれも有料で、事前の申し込みが必要だ。

 このほか、デジタルサイネージのイベント「デジタルサイネージ ジャパン(DSJ)」、交通/医療/教育など様々なシーンで活躍が期待されるアプリのイベント「APPS JAPAN(アプリジャパン)」、エッジ(端末)に搭載されるAIの活用例などを紹介する「画像認識AI Expo」が同時に開催される。

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