Amazonが撤廃したはずの「サードパーティー業者に最安値を強制させる契約」をまだ強要している可能性

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by Province of British Columbia

カリフォルニア州がAmazonを不正競争防止法違反で訴えていた件で、原告側であるカリフォルニア州が「Amazonが2019年に撤廃した『サードパーティー業者に最安値を強制させる契約』を撤廃しておらず、むしろ業者に科すペナルティを強める動きを見せている」ことを示す内部文書を資料として裁判所に提出していたことがわかりました。

Amazon Vow to Stop Seller Squeeze Was Fake, California Says – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-04-14/amazon-s-vow-to-stop-squeezing-sellers-was-fake-california-says


Amazonは2019年に、ウォルマートやターゲット、eBayといった自社以外のeコマースサイトで、Amazonよりも安い価格で製品を販売するサードパーティー業者にペナルティを与える条項を削除したと発表しました。

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by Scott Lewis

2022年9月にカリフォルニア州を代表してロブ・ボンタ州司法長官が、「カリフォルニア州の不正競争防止法などに違反する反競争的契約行為により、競争を阻害し価格上昇を引き起こした」として、Amazonを提訴しました。ボンタ州司法長官は、Amazonが2019年に「契約条項を削除した」と発表したにもかかわらず、相変わらず他のeコマースサイトとの価格競争を避けるために最安値を強制する契約の締結を求めていたと主張しました。

Attorney General Bonta Announces Lawsuit Against Amazon for Blocking Price Competition | State of California – Department of Justice – Office of the Attorney General
https://oag.ca.gov/news/press-releases/attorney-general-bonta-announces-lawsuit-against-amazon-blocking-price


そして、この裁判の中でAmazonの社内文書が提出され、その中には「契約条項を削除したという発表は肯定的に報じられているから、サードパーティー業者が他のサイトでAmazonよりも安い価格で製品を販売することを防ぐためにペナルティを強化することは反発を生むかもしれない」とAmazon幹部が発言したことがまとめられていたとのこと。原告側のカリフォルニア州はこの発言はAmazonがいまだにサードパーティー業者に対して価格競争を阻害するような契約をせまっている証拠だと主張しています。

また、Amazonの価格担当ヴァイスプレジデントが、Amazonに合わせて価格を下げなければならないと訴えた出品者について「他のサイトでの直接販売や代理店経由の販売が、出品者とAmazonを相対的な競争上の不利な立場に置いていないか、出品者に確認してもらうといいかもしれません」とコメントし、絵文字のスマイルマークを添えていたと原告側は主張しました。


さらに原告側が提出した資料には、「Amazonは税金を免除しながら毎年多大な利益を上げているのに、広告を使って検索と関係のない商品を表示し、私の時間を無駄にしています」というユーザーからの証言も掲載されていたそうです。

Amazonの広報担当者は、Amazonでは販売者が自ら価格を設定できると主張しており、「訴状の主張の多くは不正確です。私たちは裁判所に事実を提示することを楽しみにしています」とコメントしています。

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