日本電信電話株式会社(NTT)は、ホワイトボックス装置対応のネットワークOS「Beluganos(ベルガノス)」を製品化したと発表した。NTTアドバンステクノロジ株式会社(NTTーAT)が3月31日、販売を開始した。また、NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は商用ネットワークにてBeluganosを導入する。
一般的なネットワーク機器は、ハードウェアとソフトウェアが一体となった専用装置だ。そのため、ベンダーから提供される限られたラインアップから選ぶ必要があり、投資効率の面で課題があったという。
これに対してBeluganosを採用したネットワークでは、ハードウェアは汎用性が高いホワイトボックス装置、ソフトウェアはBeluganosに機能分離。これにより、専用装置に比べてTCOを2割削減。また、ネットワークの故障時に迅速に対応できるため、通信事業者やデータセンター事業者において保守の高度化と品質向上が実現できるとしている。
Beluganosは、NTTの「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想」を実現するための製品の1つ。IOWN構想は「光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤」だとしている。
IOWN構想はNTTグループだけでは実現しないとして、NTT、インテル、ソニーの3社がパートーナーを募って「IOWN Global Forum」が結成されている。
今回製品化されたBeluganosは、NTTが研究・開発を進めてきた技術をベースに、IOWNに参加している米IP Infusionの技術が組み込まれている。
Beluganosは、研究・開発をNTT、販売とサポートをNTT-ATが行い、NTT Comは自社の商用ネットワークへの導入と継続的なフィードバックを通じた品質の向上を行うことで、「継続的な進化を図る」としている。