調査企業のJon Peddie Researchが、ゲーミングPCの売上とコストに関する報告書を発表しました。これによると、2023年から2025年にかけて、ミッドレンジモデルのPCは緩やかな成長にとどまるものの、エントリーモデルとハイエンドモデルは、2025年まで顕著な成長を遂げるだろうとのこと。2022年の落ち込みから50億ドル(約6600億円)以上を回復し、ハイエンドモデルが39億2000万ドル(約5160億円)、エントリーレベルが22億9000万ドル(約3000億円)を売り上げると予想されています。
PC gaming hardware market to bounce back after challenging 2022 – Jon Peddie Research
https://www.jonpeddie.com/news/pc-gaming-hardware-market-to-bounce-back-after-challenging-2022/
PC gaming market is set to grow again after pandemic and overstock corrections | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2023/04/pc-gaming-market-is-set-to-grow-again-after-pandemic-and-overstock-corrections/
新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行で巣ごもり需要が起こり、2021年のゲーミングPCや周辺機器、PCパーツの売上高は高騰しました。そして、2022年にその反動で需要が減少して市場売上げは大きく減少しました。
PCの出荷台数が2022年第1四半期で減少傾向に転じる – GIGAZINE
Jon Peddie Researchによると、2025年までにゲーミングPC市場は50億ドル以上の収益を回復し、市場全体の売上は2022年から12%増加するとのこと。Jon Peddie Researchは、「ハイエンドモデルの成長はミッドレンジモデルの開発を犠牲にしています」と述べ、各メーカーがミッドレンジモデルよりもハイエンドモデルの開発に注力していると指摘しています。
また、IntelがディスクリートGPUを発表し、これまでNVIDIAとAMDの二大巨頭が占めていたグラフィックス市場に参入したことで、市場に大きな影響が出ているとJon Peddie Researchは述べています。加えて、AMDの型落ちGPUがエントリーレベルに値下げされたことが、エントリーレベルの盛り上がりに一役買うだろうと予測しています。
IT系ニュースサイトのArs Technicaは、GPUの仮想通貨マイニング需要が衰退し、IntelとAMDがハイエンド以下のパーツを提供するようになったことで、エントリーレベルに当たるゲーミングPCのコストパフォーマンスが向上したため、Jon Peddie Researchの予測は当たる可能性が十分にあるとしています。
さらに、PC本体だけではなくモニターの傾向にも変化があるとのこと。3440×1440ピクセル解像度のワイドディスプレイは320ドル(約4万2000円)の価格帯のものも出始めており、エントリーレベルの消費者でも手が届くようになったとJon Peddie Researchは指摘しました。
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