グロシエのCEOが語る、新規採用と昇進、そして「美は感情である」理由

DIGIDAY

3月14日、グロシエ(Glossier)は昇進や新規採用によって経営陣を刷新したことを発表した。最近のセフォラ(Sephora)との小売パートナーシップ、D2C店舗および製品の拡張など、グロシエはブランドのリフレッシュを敢行しており、今回の経営陣刷新もその一環である。

昇進では、グローバルマーケティング・シニアバイスプレジデントのクレオ・マック氏がCMOに、シニアバイスプレジデント兼エグゼクティブクリエイティブディレクターのマリー・スーター氏がチーフクリエイティブオフィサーに就任した。そして、シャネル(Chanel)やアパレルブランドのテレズ(Terez)に在籍していたチトラ・バリレッディ氏がチーフコマーシャルオフィサーとして入社している。また、これまで同ブランドのチーフコマーシャルオフィサーを務めていたカイル・リーヒ氏は、2022年5月からグロシエのCEOに就任した。2月上旬、グロシエはセフォラで正式に発売される直前に、ソーホーにある旗艦店をリニューアルオープンしたほか、1月には初のデオドラント製品をローンチしている。同社によると、数は明らかにされていないが、今年は4~6週間ごとに製品がデビューする予定だという。

Glossyはカイル・リーヒ氏に、経営幹部に関する発表が意味すること、グロシエが今年力を入れていること、そして美容に関してもっとも期待していることについて話を聞いた。この会話は、わかりやすさのために若干編集を加えている。

ーー今回の新規採用と昇進はグロシエにとって何を意味するのか?

「上層部ではグロシエは100年の旅の9年目を迎える超絶的なブランドだと信じている。当社の使命は、世界の美容の捉え方を変えることだ。私たちはそれをみずからが築いているブランドや企業文化、当社のリーダーシップチーム、そして世界に与える影響を通して評価している。ブランドの軌跡と成長の次の段階を見据えるという点においては、リーダーシップの進化が不可欠だ。未来に目を向けて、ブランドを高めていく。製品を向上させ、コミュニティをインスパイアする製品で、質の高いイノベーションや効能を確実に提供していく。私たちはグロシエをより多くの人に届けることに注力している。まさにそこで重要な役割を果たしているのは、より多くの店舗のオープンやセフォラへの参入、ウェブサイトの再デザインと改良といった、オムニチャネル戦略だ」。

ーー2023年の焦点は何か?

「今年はブランドにとって、そして私たちが築いているブランドとビジネスの長期的な軌跡にとって、変革の年だ。私たちはブランドとコミュニティを賞賛して再活性化しようとしているからだ。ここ数週間、ニューヨーク、北米、そして世界中の街角でその実現を目にしていることだろう。そのすべての背景には、世界にインパクトを与えるためにブランドとして行っている重要な活動がある。助成金プログラム、店舗での地域の慈善事業パートナー、投票権やリプロダクティブライツ(生殖に関する権利)を支持する方法などを通じて、これを実践している」。

ーー消費者はブランドに何を求めているのか?

「私たちが事業を行っている世界では、(経済の)インフレーション、ヨーロッパの戦争、リアルタイムで起こる銀行危機など、とてつもなく大きなノイズがあり、消費者にストレスや不安を与えるものが数多く存在する。最終的に消費者が求めているのは、自分がより大きな何かの一部であると感じさせてくれるブランド、目的と意味を持ち、信念に忠実であるブランドだ。

私にとって、美とは感情だ。私には4歳と1歳の子どもがいる。自分の子どもたちが、世界でどのように感じてほしいか、自分自身についてどう感じてほしいかについて、私は考える。人々が自信を高める上でブランドはどのような役割を果たせるのか、そして特に美容企業はそれを推進するためにどう貢献できるかを考えている」。

ーー現在、美容業界に関してもっとも期待していることは何か?

「パンデミック後、色が戻ってきたので、カラーを取り入れたエキサイティングな製品のローンチをいくつか目にすることになるだろう。ここ数年はできなかったようなメイクアップができるようになること、そしてその上でいかに個性を発揮できるのかを考えるとわくわくする。美容の企業が美容の枠組みの変化に与える影響について、これまで私たちが行ってきた会話からいちばん刺激を受けている。そこから日々の活力を得ている。それこそが美容業界が必要としていることなのだ」。

[原文:Glossier’s CEO talks new hires and promotions, and why ‘beauty is a feeling’]

EMMA SANDLER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)

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