OpenAIがChatGPTなどのツールやサービスの利用規約を改定、従来よりも明確で具体的な禁止例が示される

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OpenAIが開発した「ChatGPT」などのチャットAIは、研究論文の著者に名を連ねたり経営学修士課程(MBA)の最終試験に合格したりと、まるで人間のような文章を生成することが可能です。しかし他者を傷付けるコンテンツなどを無制限に生成することは認められておらず、OpenAIはChatGPTをはじめとするツールやサービスの使用について2023年3月23日に利用規約を改定し、これまでよりも明確かつ具体的な利用規約を示しました。

Usage policies
https://openai.com/policies/usage-policies


OpenAIは「私たちは、誰もが私たちのツールを安全かつ責任を持って使用できるようにしたいと考えています。そのため、OpenAIのモデル、ツール、サービスのすべてのユーザーに適用される利用規約を作成しました」と述べ、以下の行為を禁止しています。

◆使用禁止モデルの例
・違法行為
OpenAIでは、違法行為のためにモデルやツール、およびサービスを利用することを禁止しています。

・児童の性的虐待、または児童の搾取や危害を加えるコンテンツの生成
児童への性的虐待、または児童の搾取や危害を加えるコンテンツの生成は禁止されています。OpenAIでは児童性的虐待のオンラインコンテンツ撲滅に向け、このようなコンテンツを随時全米行方不明・被搾取児童センターに報告しています。

・差別的、暴力的なコンテンツ
アイデンティティに基づく差別の表現や扇動、または助長するコンテンツの生成は禁止されています。また、個人への嫌がらせや脅迫を意図したコンテンツや、暴力の助長・美化に関するコンテンツの生成も禁止されています。


マルウェアの生成
他者のコンピューターシステムを破壊、もしくは不正アクセスを目的としたコードの生成は禁止されています。

・身体的に危害が及ぶリスクが高いコンテンツ
武器の開発や、軍事利用、エネルギーや水の輸送など、重要インフラの管理または運用に関連するコンテンツの生成や、自殺などの自傷行為を助長または描写するコンテンツは禁止されています。

・経済的損失のリスクが高いコンテンツ
マルチ商法やギャンブル、ペイデイローンなどの経済的損失のリスクが高いコンテンツの生成は禁止されています。


・詐欺的なコンテンツ
OpenAIのモデルやツール、サービスを利用して詐欺を働くことや、不正行為、盗作、盗用、スパムなどのコンテンツの生成は禁止されています。

・性的なコンテンツ
性教育を除く性的行為の描写など、性的興奮を喚起することを目的としたコンテンツの生成、または性的サービスを促進するような出会い系アプリを含むコンテンツの作成は禁止されています。

・政治的運動またはロビー活動
キャンペーン資料の大量生成や、特定の層にパーソナライズされた資料の作成、政治的主張またはロビー活動に従事するチャットボットなどのシステムの構築は認められていません。

・利用者のプライバシーを侵害する行為
相手の同意なしに個人の追跡や監視を行う行為、個人の顔認識または識別を行う行為は禁止されています。また、個人情報の違法な収集や開示も認められていません。


・許可されていない法律実務に従事すること、または有資格者が情報を確認せずにカスタマイズされた法的アドバイスを提供すること
OpenAIのモデルは、法的アドバイスを提供するために細かく調整されているわけではありません。法的な情報源としてOpenAIのモデルに依存することは推奨されていません。

・有資格者が情報を確認せずにカスタマイズされた財政的なアドバイスを提供すること
OpenAIのモデルは、財政的なアドバイスを提供するために細かく調整されているわけではありません。財政的な情報源としてOpenAIのモデルに依存することは推奨されていません。

・病気の診断や、治療についての情報を提供すること
OpenAIのモデルは医療情報を提供するために細かく調整されているわけではありません。OpenAIのモデルを重篤な病状の診断や治療サービスの提供に決して使用しないでください。また、医療現場で早急な対応が必要なトリアージなどに使用しないでください。


・リスクの高い政治的な意思決定
OpenAIのモデルやツール、サービスは、裁判所などの法的執行機関での使用を禁止しています。また、移民や亡命などに使用することも禁止しています。

・追加要件
医療・金融・法律業界においてOpenAIのモデルを使用する際や、ニュースの生成・要約を行う際には、AIが使用されていることと、機能的な限界を知らせる免責事項をユーザーに対して開示する必要があります。

また、チャットAIなどのシステムは、ユーザーに対して「AIと対話している」ことを開示する必要があります。また、歴史上の人物を模倣したチャットボットを除き、他の人物をシミュレートしたAIはその人の明確な同意を得ていることを明示するか、「シミュレート」または「パロディ」と明示する必要があります。


◆プラットフォームポリシー
OpenAIが提供するAPIは、多くのテクノロジープラットフォームのビジネスを強化するために使用されています。OpenAIのAPIは、ユースケースの制限に従うことで、ウェブアプリケーションなどにAPIを統合することができます。

◆プラグインポリシー
プラグインのマニフェストには、モデルに公開されるAPIの機能と一致する記述が必要です。プラグインマニフェスト、OpenAPIのエンドポイントの説明、またはプラグイン応答メッセージに、無関係、不要、または虚偽の用語や指示を含めないでください。これには、他のプラグインの使用を避けるための指示や、モデルの動作を制御または設定しようとする指示が含まれます。また、OpenAIの安全システムを回避または妨害するためにプラグインを使用しないでください。

さらに、プラグインを使用して、人間のような応答をシミュレートしたり、事前にプログラムされたメッセージで返信したりして、実際の人々との会話を自動化しないでください。ChatGPTによって生成された電子メールやメッセージコンテンツなどを配信するプラグインには、コンテンツがAIによって生成されたことを示す必要があります。


OpenAIによると、生成したコンテンツや製品がこれらのポリシーに違反していることが判明した場合、必要な修正を行うよう警告するとのこと。さらに違反が繰り返された場合や、重大な違反があった場合には、アカウントの停止処分などの措置を執ると表明しています。また、OpenAIは「今後もモデルやツール、サービスの利用状況やコンテンツの生成に応じてこれらの利用規約は更新されます」と述べています。

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