アメリカ連邦準備制度(FRB)の理事会が2023年3月2日に開催したオンラインビデオ会議で、悪意のある人物が勝手に会議に参加しポルノ映像を流す、通称「Zoom爆撃」が行われたことが明らかになりました。会議は「技術的な問題が発生した」として中止されています。
Porn Zoom bomb forces cancellation of Fed’s Waller event | Reuters
https://www.reuters.com/world/us/feds-waller-virtual-event-canceled-after-zoom-hijack-2023-03-02/
US Fed Reserve Zoom Conference Canceled After ‘Porn-Bombing’ | PCMag
https://www.pcmag.com/news/us-fed-reserve-zoom-conference-canceled-after-porn-bombing
2023年3月2日に開かれる予定だったFRBのオンライン理事会は約220人が参加し、FRBのクリストファー・ウォラー総裁による開会宣言の後、インフレや経済の見通しについての議論や質疑応答などが行われる予定でした。
しかし、ウォラー氏による開会宣言の直前に「ダン」という名前の参加者が画面上にポルノ画像を表示し始めました。混乱を避けるため、開始予定時刻の数分後にFRBはオンライン会議を急きょ中止しました。
悪意のある人物がオンライン会議に割り込んでポルノ映像を流すなどの通称「Zoom爆撃」はこれまでに多数の被害が報告されており、2020年8月にもアメリカで開かれたオンライン公聴会においてZoom爆撃が発生し、会議が中止に追い込まれています。
Twitter大規模ハッキング事件のオンライン公聴会でポルノ動画が爆音で流れる「Zoom爆撃」がさく裂 – GIGAZINE
今回のZoomでのオンライン会議を主催したアメリカ中規模銀行連合(MBCA)のブレント・ジャークス事務局長は「私たちはZoom爆撃による被害者で、大変遺憾に思っています。このような被害が二度と起こらないようにするために、今後どのような対策があるかを協議しているところです。これまでの会議でこのような事態は1度も起こりませんでした」と述べています。
ジャークス氏は、今回のZoom爆撃が発生した理由を「参加時にユーザーをミュートし、画面共有をできないようにするセキュリティ設定が正しく設定されていなかったのではないか」と疑っています。しかし今回行われたZoom会議の設定に関して詳細は明らかになっていません。
Zoomのマット・ネーゲル広報は「私たちはこのようなZoom爆撃について大変憤慨しており、強く非難します。今回のFRB会議のZoom爆撃による混乱を非常に深刻に受け止めており、必要に応じて法的機関と緊密に協力し調査を行います」と述べています。
なお、Zoom爆撃は公開会議の妨害やコンピューターへの侵入、憎悪犯罪、詐欺、または脅迫的な通信の送信につながるとされ、起訴される可能性があります。Zoom爆撃が行われた場合、リアルタイムでZoomに被害を報告できる機能が2020年4月に追加されています。
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