メモ
2歳の子どもが乗ったままのフォルクスワーゲン車が盗まれるという事件が発生しました。フォルクスワーゲンは車両の位置追跡サービスを提供しているため、通報を受けた保安官事務所はただちにフォルクスワーゲンに車両のGPS追跡を依頼したのですが、サブスクリプションサービスの試用期間が切れていたことを理由に150ドル(約2万円)を支払うよう求められたそうです。
For 30 minutes, tracking service wouldn’t help Lake County deputies find stolen car with toddler inside – Chicago Sun-Times
https://chicago.suntimes.com/news/2023/2/24/23614215/tracking-service-stolen-volkswagen-toddler-inside-carjacking-lake-county
VW wouldn’t help locate car with abducted child because GPS subscription expired | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2023/02/volkswagen-wouldnt-help-locate-car-with-abducted-child-because-gps-subscription-expired/
事件が発生したのはイリノイ州レイク郡。34歳の女性が私道にフォルクスワーゲンのSUV・アトラスを駐車し、子どもの1人を車から降ろして家に入れました。その後、車に残していた2歳の子も降ろそうと車に戻ったところ、近くに停車していた白いBMWから運転手とは別の男が降りてきて女性を殴り倒し、SUVに乗り込んで走り去っていったとのこと。BMWもSUVに続いて走り去りました。
逃走するSUVにひかれて手足を折る重傷を負った女性がなんとか通報したことで、レイク郡保安官事務所は事件発生を知り、ただちに車の捜索を開始しました。保安官は、フォルクスワーゲンのオンラインサービス「Volkswagen Car-Net」で車両の位置情報を取得できると考えてフォルクスワーゲンに情報提供を求めたものの、当該車両のCar-Netの試用期間が切れていたため、フォルクスワーゲンから150ドル(約2万円)の支払いを求められました。
保安官事務所のクリストファー・コヴェリ氏によると、差し迫った状態であることを説明して嘆願したものの、フォルクスワーゲン側の担当者は「会社の方針である」として一歩も譲らなかったとのこと。
結局、保安官事務所は支払いを行ったものの、フォルクスワーゲンから情報が提供されたときには、すでに「2台の車が駐車場に入ってきて、そのうち1台の運転手が小さな子どもを置き去りにした」などの通報があって、車両と子どもの位置は特定されており、「提供された情報はその時点では価値がありませんでした」とコヴェリ氏は述べました。
保安官事務所によると、女性は妊娠6カ月で、重傷ではあるものの容態は安定しているとのこと。また、盗まれたSUVは国道近くの駐車場で発見されていて、子どもは通報した人がただちに保護したため無事でした。一方で、BMWは見つかっておらず、広く情報提供を求めています。
この件についてフォルクスワーゲンは、「フォルクスワーゲンはお客様の安全とセキュリティを非常に重視しています。私たちの思いは被害者やその家族とともにあります」「法執行機関からの緊急要請を含むサードパーティープロバイダーとの連携を行っており、過去には成功裏にプロセスを処理した経験もありますが、残念ながら今回の事例ではプロセスの重大な違反がありました。関係者とともに状況に対処しています」との声明を発表しました。
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