初期消火に使う「屋内用消火栓(収納箱)」のデザインを巡り、SNSで論争が巻き起こっている。
景観を重視した施設では、周囲と調和させた意匠の消火栓は珍しくない。しかし、生活者から見ると「本末転倒」だと理解できないケースもあるようだ。
「残念」デザイン?
防災設備に欠かせない消火栓。赤く光った表示灯と起動ボタンが上部に並び、下部の扉を開けるとノズルやホースなどが収納してある、なじみの存在だ。
建設関係者を名乗るツイッターユーザーは2023年2月中旬、2つの消火栓の写真を投稿し、それぞれ「残念」「いいね」と講評した。
「残念」と評されたのは、一般的なクリーム色の消火栓だった。投稿者は消火栓と壁の材質・色が合っていない、明朝体で赤く書かれた「消火用散水栓 消火器」のフォントと色が施設全体と調和していないことを理由に挙げた。
「いいね」と評価された消火栓は対照的に、一見しただけでは気づかないような壁と同化したデザインだった。投稿者は施設全体のサイン(案内図など)と合わせていると解説した。
投稿は21日までに6000以上リツイートされ、是非をめぐって議論になっている。同意する声もあるものの、多くは「デザイナーの自己満足」「本末転倒」と視認性が低いために、いざという時に見つけられないという懸念だ。