小規模SaaSがCloudflareから突然アカウント制限を食らってしまったとの体験談

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仮想通貨市場に関するデータの提供サービス「Tardis.dev」の創業者が、Cloudflareから警告なしでアカウント制限を受けてしまったいきさつを、ソーシャルニュースサイトのHacker Newsで報告しました。

Small SaaS banned by Cloudflare after 4 years of being paying customer | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=34639212

今回、Cloudflareから突然アカウント制限を受ける憂き目に遭ってしまったのは、Tardis.devの創業者であるというHacker Newsユーザーのtardis_thad氏です。同氏は過去4年間にわたり、Cloudflareの開発者向けサービスである「Cloudflare Workers」を愛用していましたが、2023年2月3日に突然アカウントが制限されてしまったとのこと。

Tardis.devはTwitterでも、Cloudflareによるアカウント制限でAPIが応答しなくなってしまったとユーザーに報告しています。

@eastdakota small SaaS founder here, been heavy Cloudflare Workers user (4 billions requests server per month) since about 4 years already and today without any warning my account was restricted, both website and APIs are down, customers angry.

— Tardis.dev (@tardis_dev)


急いでtardis_thad氏がCloudflareのサポートに連絡をとったところ、サポートからは「うーん、『2.8 非HTMLコンテンツ提供の制限』に引っかかったようですね」と言われたとのこと。

「2.8 非HTMLコンテンツ提供の制限」とは、Cloudflareの利用規約の2条8項のことです。これにより、ユーザーは原則としてHTMLでのみサービスを利用可能で、動画や非合理的な割合の画像、音声など非HTMLコンテンツでの利用ができないとされています。


とはいえ、この規約は画像や動画などのメディアコンテンツを共有するのが当たり前になった近年のインターネットにはそぐわないように思えます。事実、2019年に作成された別のHacker Newsのスレッドに直々に書き込みを行ったCloudflareのマシュー・プリンスCEOは、画像のホスティングにCloudflare Workersを使うことが先述の規約に抵触するのではないかという話題の中で、「それは従来のサービスに限った話です。Workersの場合は適用されるサービス利用規約が違います。このプロジェクトで困ることは何もありません」と述べて、Cloudflare Workersに加入していれば特段問題はないとの見解を示していました。

こうした経緯から違和感を覚えつつも、tardis_thad氏は「確かに自分が支払ってきた利用料金はあまりにも安すぎた」と納得して、Cloudflareの営業チームに連絡し、従量制のプランに変更してもらえないかと申し出ました。これに対するCloudflareの営業の回答は「エンタープライズのプランに関してはあなた次第です。セルフサーブを利用することで回避することもできますが、エンタープライズを選択するなら月額○○ドルの範囲で何かを承認できる可能性があります」という内容だったとのこと。

こうしたいきさつから、tardis_thad氏は「アップグレードが必要なことは十分理解できますが、なぜサービスが完全に停止する前にメールを送ってくれないのでしょうか?私は、このようなシナリオについて、Cloudflareの営業者とのZoomミーティングでも質問しましたが、彼らは『そんなことは絶対に起きない』と言っていました」と疑問を投げかけました。

tardis_thad氏のスレッドには、記事作成時点で300件を超すコメントが寄せられています。その中には、tardis_thad氏にCloudflareとの契約は結局どうなったのかの説明を求める書き込みがありますが、それに対する返信でtardis_thad氏は「もっと情報提供したいのはやまやまですが、報告できることは何もありません。まず私がサポートに連絡したところ、非HTMLコンテンツ制限の規約違反で制限されている可能性が高いと言われ、営業に連絡するように勧められました。そこですぐ営業に電話したら、『このままでは24時間以内にアカウントが完全にBANされるので、15分以内にオファーを用意する』と言われました。その間にツイートやHacker Newsへの投稿をしたところ、Cloudflareの最高技術責任者(CTO)がそれに気づき、営業から『CTOが承認したのでアカウントのBANを解除するようチケットを更新してください』と言われ、そうしたら少なくとも今のところは問題が解決しました。話は以上です。何が問題なのかの詳しい情報はなく、私はまだエンタープライズプランの見積もりが来るのを待っている状態です」と述べました。

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2023年02月07日 16時00分00秒 in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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