ねむい
あくびってどうしてうつるんだろう。
朝の電車などで、隣の人が眠そうにあくびをしているのを見ると思わず自分も口が開いてしまう。すっぱいものを見てつばが出るくらい自然にそうなる。
あくびがうつる理由はよく分かっていないらしい。もしかしたら迷信なのかもしれない。あくびは本当にうつるのか。いろんな人や動物に試してみました。
※2007年8月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
まずは関係者に試す
あくびが本当にうつるかを試すという意味では、朝の電車や信号待ちに並んでいる見ず知らずの人々の前であくびをするのが理想だ。
しかし記事にするとなると難しい問題もでてくる。そこで、まずは関係者である当サイトのライターの方々に試させてもらうことにした。
ざんはわの大北さんにはうつるのか
お台場の「東京カルチャーカルチャー」での打ち合わせの後、その場にいたライターのざんはわ大北さんに頼んで試させてもらった。ただし、あくびをうつすという企画であることは伝えていない。
だめだった
まったくうつる気配がない。それどころか、単にあやしい人か失礼な人と思われた可能性もある。おかしい。何がいけないのだろう。
動物はどうだろう
上野動物園にやってきた。人にうつそうとするのはひとまず置いて、つぎは軽く動物たちにためしてみよう。
うちの実家のネコは伸びをするたびにあくびしている。それを見ていつもこちらがあくびをもらっているのだが、今日は逆に彼らにうつしてみたい。
対ヤギ戦
さっそくヤギ広場にいたおとなしそうな一頭と対峙する。さあ、おとなしくあくびをしなさい。
だめだ
基本的にやぎはこちらを見てくれないようだ。人を無視したうえに目線の先はエサ。人間の尊厳を問われる取材である。
しかしあきらめない
ふられても、次から次へとあくびをしかけてゆく。街でナンパをして振られる人はこういう気持ちなのかもしれないと思った。
やはりだめだ
まったくもって手ごたえがない。君たちはそもそもあくびを知っているのか、と問いたくなるような無視っぷりである。ここは対象をもう一度人間に戻してみることにしよう。
ライター安藤さんにうつるか
イベントのために東京にいらしていた沖縄のライター安藤さんにお願いし、あくびをうつすのを試させていただいた。
得られたのは失笑のみであった。深夜便で来たためほとんど寝ていないという安藤さんなら大丈夫だろうという計算だったが、まったくもってぴくりとも反応がない。
対面にうつるらしい
しかし、うれしい報告もあった。安藤さんの向かいに座っていた女性が、おもわずあくびをしてしまったと教えてくれたのだ。もしかすると真横よりも対面の人にうつりやすいのかもしれない。
さっそく4人席に移動させてもらい、対面の人も写るかたちで撮影をお願いしてみる。もはや企画の趣旨は伝わってしまっているが、わざとあくびしたりはしないでくださいとお願いして進めた。
ついにうつった
おもわずあくびをしてしまった女性はニフティの小宮さん。この日行われた当サイトのイベントにスタッフとして参加されていた。
イベントの準備等でお疲れだったのだろう。わざとではなく、ほんとうに自然にあくびが出てしまったとのこと。あくびをしている小宮さんを後から動画で確認し、ついにやったとぼくは感慨にふけった。
さっきから自分にうつっている
あくびがうつるのは、人やチンパンジーなど一部の動物だけだという。とすると、あくびは高度なコミュニケーションのひとつなのかもしれない。誰かにあくびがうつった、あるいはうつされたとき何となくくすぐったくなるのは、ふたりが言外で通じ合った気持ちになるから、というのがあるんじゃなかろうか。
それはさておき、ぼくは今や「あくびはうつる説」を確信している。さっきから動画中の自分のあくびがうつってしかたないのだ。「インターネットをめぐって自分のあくびが自分にうつる」ってどういう状況だと思った。