ベルリンで12月16日の朝、世界最大の円筒形水槽「AquaDom(アクア・ドム)」が破裂し、ホテルや博物館、カフェなどもある館内に26万4000ガロン(約100万リットル)以上の水が流れ出ました。ベルリン警察はツイッターで、「信じられないような『海難事故』発生」と呟いています。
宿泊客が金曜日にソーシャルメディアに投稿した動画や写真には、魚の死骸、折れ曲がった梁、割れたガラスなど、52フィート(約15.8m)のガラスタワーの残骸がはっきりと見てとれ、まさに開いた口が塞がらない被害状況が映し出されています。ガラスの破片で2人が負傷してしまったものの、ドイツ当局と救助隊は、人的被害はなかったと発表しました。
ベルリン市消防局はBBCの取材に対し、このAquaDomにいた100種類、約1,500匹の魚はほとんど死んでしまったと語りました。
この大惨事の原因は不明で、EuroNews(ユーロニュース)によると、地元当局が調査中とのことです。ラディソン・コレクション・ホテルに宿泊していたドイツ連邦議会議員のザンドラ・ヴィーザー氏は、「今朝小さな地震かしらと思いましたが、あれはAquaDomが壊れた衝撃だったのですね」と地元メディアに話しています。水槽が大破した直後の現地は、戦場を思わせる荒廃ぶりだった、とも。
ヴィーザー氏は「魚の死骸と割れた破片がたくさんある惨状」とも地元テレビ局に語ったと、ニューヨークタイムズ誌は報じています。「助かったかもしれない魚も凍死してしまったわ」
2003年、ラディソン・コレクション・ホテル内に設置されたAquaDomに、ドイツ当局は緊急対応要員を100人派遣しました。ロイター通信によると、警察は構造的な被害が出ることを懸念し、ホテル内にいた約350人の宿泊客を避難させたと言っています。この水族館のウェブサイトでは、今回の大惨事のため、AquaDomを一時的に閉館すると発表しました。
ニューヨークタイムズ誌によると、ベルリン当局は、AquaDomの魚は助かる見込みがないと考えているそうです。また、この破裂で電力がストップしてしまったので、建物内の他の小型水槽に残っている魚も危険にさらされており、事故発生当時はその救出に専念していたそうです。