日本で一番有名なブランド牛といったら、そりゃ間違いなく『松坂牛』だろう。ちなみに私は人生で1〜2回しか松坂牛を食べたことがない。なぜなら松坂牛は高いし、名もなき国産牛だって全然普通においしいから。
とはいえ、会社の経費で松坂牛が食べられるなら絶対に食べたいのは確かだ。高島屋が今年発売した『松阪牛すき焼用福袋(わりした付き)』は、税・送料込みで1万770円と松坂牛にしてはお手頃。新年の景気付けに、会社のみんなで食べちゃおうか!
・サシがエグい
『竹紫亭(ちくしてい)』と書かれた、いかにも高級そうな箱が当編集部に届いたのは新年1月5日。竹紫亭は創業60年を超える老舗食肉店である。
おごそかな気持ちで箱を開けると……
まぁまぁ小さい包みが鎮座していた。そりゃ松坂牛だもん、こんなもんだよね!
スーパーマリオブラザーズと並べてみるとこれくらいのサイズ感。
想像したより “サシ” の入り方が強烈〜! 赤より白い部分のほうが多く見えるが、これはどう捉えたらいいのだろう? あまり経験がないのでよく分からない。
なお、この日出社していたのは12人。
幸い松坂牛は6枚入っていたので……
半分に切って無理やり “1人1枚” とした。まぁ、松坂牛だから仕方ないよね!
・あったか仲間たち
すき焼きといえば調味料の加減が難しいことで知られるが、ありがたいことに福袋には『割下(わりした)』もセットになっていた。いい肉なのでグツグツ煮込むことはせず “肉だけサッと焼くスタイルのすき焼き” でいただくとしよう。
焼きを担当してくれるのは、ロケットニュースのお母さんこと編集長の羽鳥さん。割下を熱したら……
あとはお肉をシャブシャブするだけ! 一瞬でオフィスに醤油と肉の匂いが充満した。
仕事の手を休めて集まってきた編集部の面々。みな口々に「うまいね」と笑顔を見せている。
なんか我々……
家族みたいだね〜☆
ところが……!
団欒に水を差したのは会社の一番偉い人・Yoshioさん。
Yoshio「うわ、何コレ? 味が濃すぎない?」
え?
羽鳥「あ……本当だ。スゲー醤油からい」
上司2人の「味が濃すぎる」発言により、さっきまで楽しそうにしていたメンバーたちも次々と「たしかに辛い」「塩分で殺す気かと思った」などとカミングアウト。実際に食べてみたところ……オカンがこれを食卓に並べたら「早く薄めろ」と語気を強めるレベルで味が濃い。
慌てて割下の注意書きを読むと、そこには「同量の水で薄めてください」と明記されていたのだった。みんな……こういうことは早く言ってよォ〜〜〜!!!!
・ひみつのお楽しみ
想定外の事態に、本当は隠しておくつもりだった “とっておき” を発動することにする。
実は私……あとからこっそり食べようと、6枚の肉から少しずつ、はじっこ部分をくすねていたのだ。
切れ端を細かく切り、少量の割下(薄めたもの)で煮たら……
即席『松坂牛の牛丼』が完成!
これ、笑っちゃうほどウマい!!! 油ギトギトな松坂牛は少量でも胸がいっぱいになるので、個人的には牛丼にして食べる程度がちょうどいいと感じた。福袋ひとつで牛丼が20杯作れると考えれば、コスパもかなりいいのではないか。
割下の件は想定外だが、会社が新年初笑いに包まれたのでよしとしよう。
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.