列車で滑り止めに使う砂を活用した受験生向けのお守りは多いが、航空業界でも「滑り止め」をうたうお守りがお目見えする。空港に到着した飛行機が「滑らない」ように、車輪の前後に置く車止めを再利用した「合格祈願御守り」だ。
羽田神社(東京都大田区)と日本航空(JAL)のコラボの一環で、2022年12月24日に頒布が始まるのを前に、12月23日に報道陣にお披露目された。
200トン以上ある大型機の車輪を6本の「チョーク」で支える
車止めは「チョーク」と呼ばれ、アピトン材と呼ばれる木材でできている。5角形で、1本の大きさは長さ60センチ、幅14.5センチ、高さ14センチ。重さは5キロほどだ。空港の駐機場は、水はけが良くなるように傾斜がついているが、駐機中はブレーキを解除することがあり、何もしなければ飛行機は勝手に動き出してしまう。それが動かないように、200トン以上ある大型機をチョーク3セット(6本)で支えている。
半年~1年ほどですり減って寿命を迎えるため、JALは21年度に羽田空港で170セットを廃棄し、焼却処分した。この有効活用を検討する中で、お守りにするアイデアが浮上した。具体的には、役割を終えたチョークを羽田神社に持ち込んで「御神璽(ごしんじ)」として「ご祈祷」を受け、羽田空港内のJAL施設で縦1.5センチ、横0.5センチ程度のチップ状に裁断。「御内符」としてお守りに使用する。裁断に利用するのは、普段は金属を切るのに使っている電動のこぎりだ。
企画に携わったJALグランドサービスの小池規之さんは、大型機を3セットで支えてきた「実績」を説明しながら、「御利益はあると思う」。
「不安なく受験に集中できるように、このお守りを身につけて勉強に励んでいただければ」
などとアピールしていた。お守りの初穂料は1000円。600体限定で頒布される。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)