デジタルカメラの進化のスピードは速い。それは日々感じていることなのだけれど、最近はちょっと様子が変わってきているように思う。
少し前までは画素数やオートフォーカスの速さみたいな、わかりやすい進化で競い合っていたのだけれど、このところの新製品は何がどうよくなったのか、僕らにはよくわからないのだ。
僕たち趣味のカメラ好きというのは、新しいカメラが出るとカメラ屋さんに行って触り、家にあるカメラとの差に愕然とし、メルカリなどのフリマアプリや中古販売サイトを見ながら眠れない夜を過ごし、意を決して今ある機材を売り、瞳孔の開いた状態で新製品を買う、という生き方を繰り返してきた。
しかしここ5年くらいだろうか。正直、カメラ屋さんで新製品を触ってもわくわくしなくなってしまったのだ。
もちろん今でもカメラは進化し続けているのだけれど、ある時点を越えたあたりから、その進化のすごさがよくわからなくなってしまったのである。3年前、5年前のカメラでも十分に満足だし、僕らみたいに道端の草を撮ったり寝てる猫を撮ったりするくらいの用途においては、最新の機能なんていらないのではないか。
そう、デジタルカメラの進化は多くのユーザーの解像度を超えてしまったのだ。
となると頑張って最新のカメラを買い続ける理由はもうない。むしろ少し前の機種を探せば新品の時の半額くらいで売られていたりするので、これを狙う方が賢いと言える。もちろん新品を買い続けられる財力のある人はそれを続けてほしい。そういう人が手放したカメラがまた市場をにぎわしてくれるので。