登場人物
妄想工作作家でライター。薄い食べ物をこよなく愛する。
酒シーンにおいて注目を集め続ける酒場ライター。うまいもの発見力にも定評がある。
編集部員で当企画の仕切り役。せっかちで早食いだが少食。
つまりはいなり寿司の餅版
パリッコ：
古賀さんちのオリジナル料理でしょ、これ。
古賀：
違うんですよ！ いま餅業界で話題の「いなりもち」なんです！ うちのオリジナル料理じゃなくちゃんと存在する商品なんですよ。
乙幡：
お揚げに餅、組み合わせに安定感がありますね。
古賀：
そうなんです。甘辛く煮た揚げにお餅を入れて、レンジで温めて1分ぐらいで餅が柔らかくなって食べられますよっていう商品です。
パリッコ：
商品としてあるんだ！
安藤：
かんぴょうで結んでおでんにはいってるやつとは違うんですよね。
パリッコ：
餅巾着だ。でもこっちは油揚げに味をつけてあるんですもんね。
古賀：
そうなんですよ。つまりは、おいなさんの餅版なんです。
安藤：
ほう～。
各社がこぞって出している
古賀：
今日持ってきたのはアイリスオーヤマのグループ会社が作ってるやつ。
安藤：
アイリスオーヤマ、餅売ってるんだ。
古賀：
そう、おどろきました。しかもヨドバシカメラで買ったからね。で、アイリスオーヤマだけじゃなくて、これが各社からこぞって出てるんです。
古賀：
多分、最初に出したのはもち吉じゃないかな……。もち吉が「いなりあげもち」を出したのが2018年くらいみたいです。
古賀：
どういうことかよくわからないんですが、気づいたら各社から出てました。そういうことってないですか。急にあちこちから出始めたな！ っていうことが。
乙幡：
餅業界にとってブルーオーシャンだったんですかね。餅をいなり状態にするのが。
完全に予想どおりの味、だけど知らない
パリッコ：
これね、食べたくてたまらないです。
古賀：
見たままの味なのでとりあえず食べてみてください。
安藤：
（食べて）完全に予想どおりです。うめー。
乙幡：
確かに外側はいなり寿司だね。完全にいなり寿司のお揚げ。
古賀：
ちょっと不思議なんですよね。いなり寿司があって、餅巾着があって、それで「いなりもち」です！ と言われると、なんとなくぼんやりは知ってる気がする。でも食べると知ってるし知らない味がして、見たまんまの味なのに。
電子レンジ前夜には夢の食品だったのでは
安藤：
いなり寿司の中が餅って今までなかったんですかね。
パリッコ：
盲点でしたよね。餅巾着もあるのに。
古賀：
確かに……。いなり寿司にはめちゃくちゃ歴史ありそうですもんね。
乙幡：
いまWikipedia見たら、いなり寿司は江戸時代の天保のころに最古の記録があるって。
古賀：
へ～～！ クックパッドで調べると、同様のレシピはたくさん投稿されていて、そのなかで一番古いのが2015年。いなりの揚げに茹でたもちを入れるレシピが投稿されてました。発想としては以前からあったのかも。
安藤：
レンジでできるっていうのが商品としては革命だったんじゃないかな。
乙幡：
伝統食品っぽい面構えをしてはいるけど、レンジがキーだったんだ。
安藤：
レンジ前夜にはこれは夢だったんですよ。
古賀：
いなり寿司みたいに餅を食いたいなあ、でも焼いた餅じゃだめなんだよな。しっとりやわらかい餅じゃないとな。茹でるのもおっくうだしなあ。
安藤：
レンジの発明で、できたー！って。今だーーー！
パリッコ：
誰なんですか。夢見てたやつ。
乙幡：
もち吉ですかね。
古賀：
もち吉に急に人格を感じますね。
多分どこのを食べてもおいしい
パリッコ：
他のメーカーだとちょっと味が違ったりするんですか？
古賀：
ええと、私はこのアイリスオーヤマの他に、たいまつ食品という餅メーカーの二社を食べてみたところなんですけど、ほっとんど同じだったんですよ。餅の大きさとかも似てて。
乙幡：
同じだ。
古賀：
製造会社や工場は別だったんですよね。
安藤：
他のメーカーも「いなりもち」って名前なんですか。
古賀：
もち吉が「いなりあげもち」で、アイリスオーヤマとたいまつ食品が「いなりもち」です。
パリッコ：
言いようがないもんな、それ以外。
安藤：
でも知らなかったなー。これはおいしい。
古賀：
餅業界に起きてるいなりもちという伊吹を感じてくれ。
安藤：
ムーブメントを。
登場人物
妄想工作作家でライター。薄い食べ物をこよなく愛する。
酒シーンにおいて注目を集め続ける酒場ライター。うまいもの発見力にも定評がある。
編集部員で当企画の仕切り役。せっかちで早食いだが少食。
