意味がわからない
街にはときどき、不意をつくように意味不明なサインが出現する。たとえば上の写真など、もうちょっと何か書いてよと思う。
これらはたぶん、わかる人だけが分かるようにわざと情報量を落としているんだろう。一般の人がみて混乱しないように。
しかし、気がついてしまうと気になるものでもある。今回は、そういうサインをいくつか集めてしらべてみました。
※2007年5月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
暗号イントロダクション
まずは暗号じゃない、ふつうの「止まれ」のサインから。
ここで止まればいいんだ、ということが誰でもわかる、大変よい書き方である。これに対して暗号的なサインは例えばこうだ。
突然の「S」。
いきなりなんじゃこりゃ、と思われたかもしれない。ちょっと引いてみよう。
というわけで、地下鉄のホームにあるサインなのでした。
言われてみれば確かにこういうのあるよね、という感じだと思う。で、このサインは一体なんなんだろう?
答えは電車がやってきて分かった。
やってきた電車はしるしのところでぴったりと止まったのだった。なるほどなるほど。えーとつまり、「先頭」の「S」かな?
念のため駅員さんに訊いてみたところ(忙しいのにすみません)、停車位置をあらわす「ストップ」の「S」とのことだった。おー。そういうことだったんですね。
まとめると、どっちも内容は「止まれ」なのだった。
でも、地下鉄のホームにとつぜん「止まれ」と書いてあったら、お客さんは混乱するだろう。だから、分かる人だけが分かるように書いている。たぶんそういう目的で、サインはたまに暗号化するんだろう。
暗号サティスファクション
一方で、ひろく伝えたい内容なのに結果として暗号になってしまう例もある。
近所の工事現場で、「ご近隣の皆様へ」として、火曜日から「CON打設」が始まることを教えてくれていた。心意気はありがたいが、「あ、CON打設始まるんだ」とすぐ納得できる知識はない。
と、分からないふりをしたけど、たぶんふつうにコンクリートを打ち固める工程にちがいない。
無機質に数字が書いてある場合もある。電柱に「千駄木457」と書いてあるのが見えるだろうか。
こういう場合は簡単で、たいていは通し番号が振ってあるだけなのだ。試しにとなりを見てみよう。
ほら、455。
つまり、この道の電柱を457本たどると千駄木の1号電柱(というのか?)があるはずなのだ。
ふだんなら絶対たしかめないけれど、せっかくだからちょっとだけ見に行ってみよう。
千駄木450、430と順調にたどっていって、この交差点で事件が起きた。
道の向こう側はなんと「神明824」。左側は「千駄木33」。なんてことだ。430から33にワープしちゃうの?
道を左にまがって千駄木33のほうへ。しばらく行ったところに千駄木の一号電柱はあった。ふつうの電柱だ。
その後、その他の番号も拾うべく千駄木を一周したのだけど、番号はときどきワープするうえ、800番台のものもあった。コンプリートは大変そうだ、という豆知識。
路上の暗号たち
道路に埋まっている、あるいは貼り付けてある暗号もある。とくにインフラ系の表示にその傾向があるようだ。
写真は「G→」という表示。おそらくここにガス管が通ってますよ、という意味だろうか。
こちらはNTTのマーク。電話回線が埋まっているのだろう。
基準点。社会の教科書でならったあれです(分かってない)。
おつぎは・・。あれ、なんだこりゃ?
いかにも「下を見ろ」という感じなので、真下を見てみたところ。下のほうに何かあるぞ。
これだ。たまに見る気がするけど、なんだっけ・・?
近くにはこんなのもあった。なんだなんだ。仲間か。仲間なのか?
同じような矢印のブロックが2つうまっていて、それぞれ写真のような方向を指していた。交わったところに何か特別なものでもあるのか?
その後しらべたところ、土地の境界標識というもののようだった。ここからここまでぼくの家、という印。
交通標識などと違い、これらのサインはふつうの人に見られることを想定していない。
さあ見ろといわれないから見たくなる。意味が分からないから知りたくなる。そっけなくされると追いかけたくなる。かけひき上手なサインたちといえましょう。