大阪メトロが2023年4月から中央線に新型車両「400系」を導入する。同車両に携帯端末用電源としてUSBポートの「Type-A」が採用されたことをめぐり、ツイッターではコネクタ規格が妥当か否かで話題になっている。大阪メトロの広報に採用の経緯を聞いた。
なぜType-Aを採用したのか
400系は2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に向けて開発された。「宇宙船を意識させる未来的デザイン」を目指し、前面がガラス張りで8角形の特徴的な形状をしている。
車内はバリアフリー化に取り組むほか、防犯カメラにより安全性を向上。液晶ディスプレイの運行案内で4か国語に対応し、全車両にWi-Fiを設置するなど様々な機能を搭載している。ユーティリティスペースとして電源付きカウンターも完備したと謳っている。
この車両が各メディアを通じて22年12月7日に公開されると、ツイッターでは、電源コネクタに「USB Type-A」が採用されたという点で波紋が広がった。旧型だが未だに多く利用されていることから「現状考えたらAで正解」と肯定する声が出た一方、最新の規格である「Type-C」を望む声や、そもそもUSBポートではなくコンセントにすべきではないかと指摘が出たのだ。
大阪メトロの広報戦略部は12日、400系にはモバイル用電源付きカウンターを先頭の1号車と6号車に1台ずつ設置したとJ-CASTニュースの取材に答えた。カウンターにつき3か所のUSBポートが備わっているという。設置の狙いは、「荷物置きスペース、モバイル機器を使用した簡易作業スペース、コミュニティスペースを想定しています」と伝える。
コネクタの規格について、コンセントやType-Cの採用も検討したと明かす一方で、Type-Aを採用した理由を次のように説明した。
「現在一般的に流通しており汎用性が高い規格であることや、type-Cへの変換(type-C機器の充電)も可能であること、また、コンセントを採用した場合は、海外からのお客さまの規格が一致しない場合も考えられることから、type-A規格を採用しました」
今後、状況に応じて他の規格に変更する予定があるかについては、「社会的なニーズなどを踏まえ、柔軟に検討したいと考えています」と答えた。