クリスマスシーズンも佳境を迎えようとしておりますが、そんなある日のこと。とあるサイトの鉄道情報を何となく見ていたら、故郷の鉄道の情報が載っていた。見てみたところ、クリスマスシーズンはある鉄道の電車が大変なことになっているらしい。
一足早い帰省もかねて、いったい件のサイトで見たあの光景はなんだったのか、確認してきました。
※2006年12月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
まず見てもらおう
はい、数行の説明を書き連ねる前に、とにかく見てもらいたい。こんなことになっていたのだった。
これは、群馬県前橋市と桐生市の間、25.4kmを約50分で結ぶ私鉄、上毛電気鉄道の電車内だ。11月13日から12月25日までの毎日、1日7~8往復「クリスマストレイン」と題して、2両編成にありったけの装飾をほどこした電車が走るのである。
中央前橋駅から乗り込んで西桐生駅までの間、あらためて見てみよう。
自分ちのような装飾熱
このクリスマス仕様の電車は、朝から晩までまんべんなく編成されている。なので、ラッシュの時間帯にこの電車がスーッと入ってきたりするわけだ。車内がにぎやかならいいが、都心のラッシュ時のように皆無言、の状態だったらどんな様子だろうか。見てみたい。
しかし、もし事情を知らない人がいきなり乗り込んできたらさぞやあっけにとられることだろう。それほどに、あまり類を見ない装飾加減だと思う。
企画のご担当である、上毛電気鉄道取締役の柴野氏によれば、2両で100個近いぬいぐるみやオーナメントがぶら下がっているそうだ。こんなに子供の好きそうなぬいぐるみがあると、とられたりしませんか?との問いに、
「ええ、やっぱりとられたりしますね。でもまあ、喜んでいただいてるということで、大目にみています」と、ありがたいお答えが帰ってきた。
でも毎年、どんな装飾にするかは社内皆でわいわいと決め、ぬいぐるみもキャンペーン直前に社員の方が直接街で買ってくるとのことなので、皆さん、とらないであげてください。
自分がこの路線を使って高校に通っていたころは全くこのような気配はなかった。それが、帰省のたびに「おや?」と思い始めたのは数年前だ。何か、ドア際に一輪挿しが下がっている。風情あるなぁと思っていると、次に帰省してきたときは天井中に何かぶら下がっている。
6年前からこのような装飾を始められたそうで、近隣の方々からの受けもよく、「だんだん飾りに弾みがついて」今年はとうとうこのような賑わいとなったらしい。
クリスマスのほか、いろいろすごいことになってる上電の四季。次ページで一緒にご覧ください。
そのうち紅白歌合戦のようにならないか
上毛電鉄の方にお借りした写真で、上電の四季を堪能しましょう。
装飾列車はローカルを中心に多々あれど、これほど賑やかなのは日本全国を探してもないですね、と、取材同行いただいた齋藤さんもおっしゃっていた。
高校時代お世話になった鉄道が、まだがんばって走っていることが私にはうれしい。今後も、もっともっとバットを振り切って欲しいと思う。
おまけ
ところで上毛電鉄のこの車両、東京にお住まいの方にはピンと来られたかもしれないが、京王井の頭線で使われた車両なのだ。京王では7色の前面マスクだったが、現在上電では4色(緑・青・黄・赤)のマスクがお目見えしている。いずれは京王時代より多い8色に、そして色味もオリジナルのものにしていくそうだ。幾分マニアックな話になりました。
そういえば、クリスマストレインじゃないときの車内をお見せするのを忘れていた。
下の写真がそうだ。いたって普通の車内だ。と思いきや、自転車で乗り込む人が!
まあ、これは全国いたるところでやっている「サイクルトレイン」。ラッシュ以外の時間帯は、このように自転車ごと乗り込んでいいのだ。
クリスマストレインはクリスマスなだけに、25日になったら装飾を全部取っ払ってしまう。が、他の季節は特にスケジュールは決めていないとのこと。なので、もしこちらにデコレーションを見に来られる際は、サイトで調べてからお越しください。