世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の宗教法人としての解散請求を求める署名が20万筆集まったことを受け、呼びかけ人らは2022年12月9日、「申入書」を文化庁の石崎宏明・宗務課長に手渡した。
仮に裁判所から解散命令が出ても、旧統一教会そのものがなくなるわけではない。それでも、税制上の優遇がなくなることで教団の弱体化につながるとみている。呼びかけ人は文部科学省で記者会見を開き、解散請求をするように改めて訴えた。
「税制優遇の面も含め大きなダメージを受けることが予想されます」
署名は署名サイトChange.org(チェンジ・ドット・オーグ)で10月17日に始まり、12月6日までに20万4588筆が集まった。
「申入書」によると、仮に裁判所が請求を認めて解散命令を出した時の効果として、旧統一教会が「税制優遇の面も含め大きなダメージを受けることが予想されます。組織の規模や活動が縮小することで、少なくとも数の上では新たな被害者の発生も一定程度抑制されます」と説明。
ただし、解散命令によって
「過去の被害が直ちに回復されるわけではなく、将来の被害がゼロに近くなるわけではありません。 解散命令によるダメージを補うために、 その後も教団に残る信者に対してさらに多額の献金負担を求めることがあっても不思議ではないのが統一教会です」
とも指摘している。解散命令に加えて、「社会的監視や、被害の予防・救済、2世への社会的支援のための様々な法令・制度の整備」が必要だとした。
記者会見では、旧統一教会2世信者の冠木結心さんが
「まだ信者である私の親族を含め、これ以上の被害を食い止めるためには、次世代につながる答えが必要。それがやはり解散であることは間違いない」
などと訴えた。