何が出るか分からない。中身の分からないガチャには福袋が失くしてしまったロマンがある。そんな謎ガチャでさえ、「この中のどれかが出ます。損はしません」的に中身一覧が提示されているものがあるが、個人的にはそれはだいご味を薄めているに等しい。別に損しても良いのだ。一瞬のトキメキを買いたいんだから。
そんな私(中澤)にとって衝撃のガチャに出会った。場所は北海道の長万部駅。電車は有料特急が1時間1本、駅前には休業し続ける折詰そばの店があるのみ。観光協会の入り口にあるガチャには明らかに手作りでこう書かれていた。「何がでるかはおたのしみ!? 謎・・・?『限定ガチャ』」と。
・ガチで謎
何が限定やねん。思わずそう突っ込んでしまいそうになるところがすでに最高である。雰囲気としては、ミカンとか鯖とかが出てきた方がしっくりくる。しかしながら、カプセルの搬出口は普通のガチャガチャの形状だ。ガチで何が出てくるんだコレ……?
・予想
謎ながらも予想してみると、長万部のゆるキャラ・まんべくんのグッズが出てくるというのが一番ありそうな線である。ちょうど長万部限定かんばっちのガチャもあるし、200円で価格も同じだし私が観光協会ならそうする。「限定ガチャ」という言葉もこれなら納得だ。
うん、これはまんべくんグッズに違いない。私だったらきっとそうするだろう。うんうん。そうあてをつけて回したところ出てきたのは……
鬼滅の刃だった。
伊黒!
なんか2頭身で可愛くなった蛇柱・伊黒小芭内(いぐろおばない)が出てきた。どうやら「おねむたん」というフィギュアの鬼滅の刃第4シリーズ「肆ノ型(しのかた)」のようである。売れ残りだろうか?
・嘘やろ
そう思って改めて周りのガチャを確認してみたところ、鬼滅の刃の「おねむたん」のガチャがある。やっぱり! と思いきや……
参ノ型だとォォォオオオ!?
お分かりいただけただろうか。要するに、限定ガチャで出てきたものが、長万部で販売されている鬼滅の刃おねむたんのシリーズより新しかったのである。しかも、100円安い。
・相対性理論
ちなみに、現在発売されている最新シリーズは捌ノ型(はちのかた)。この参ノ型は、多分2022年1月に再販されたものかと考えられるが、「肆ノ型(しのかた)」の再販は来年2023年3月の予定となっている。
未来の再販を先取りしていた長万部駅の限定ガチャ。ひょっとしたら、これが世に言う相対性理論というヤツなのかもしれない。さすが東京理科大学のある町と言えるだろう。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.