スキンケアの常識は日々進化するもの。大流行していたスキンケア方法が数年後に間違っていたと言われることなんてザラである。そのひとつに毛穴や角栓のケアがあると思う。
十代のころに毛穴スッキリパックをやりまくったせいで、毛穴が開きまくって後悔しているアラフォー女性、多いと思う。何をかくそう、私がそれである。
そんなある日、小林製薬の毛穴ケア専用商品が目に入った。その名も「ケアナボン」(1320円)。
「アイボン」にそっくりだから「ケアナボン」って、そのまんまかよ……。ドラッグストアのトモズで先行販売していたのでさっそく購入してみた。
・角栓の崩壊とは…?
洗眼液の「アイボン」と同じように、液を入れた容器に鼻を突っ込んで洗う「ケアナボン」。パッケージには恐ろしいことに「毛穴汚れ 崩壊・洗浄」と書いてある。
角栓の崩壊……にっくき角栓が消えてくれたら、たしかに個人的には歓喜ものだ。しかし、39年生きてきて、崩壊したものなんてペレストロイカとバブル経済、ベルリンの壁くらいしか知らない。
使い方を見ると、専用カップの中に液を入れて小鼻に沿うように鼻を浸し、カップの「モミモミスポット」を30回ほど押して鼻を洗う……とある。
「モミモミスポット」……。
まるで小学生男子が考えたようなネーミングセンスである。誰もいない部屋で「……モミモミスポット」と声に出してみたが、赤面してしまった。なんなら今タイピングしているだけでもちょっと恥ずかしいくらいである。美を磨くスキンケアタイムにあるまじきネーミング。さすが小林製薬。
ちなみに、さすがにボトルにはデカデカと「ケアナボン」とは描かれておらず、さり気なく「keanabon」とアルファベットで商品名を入れたシンプルなデザインに。
最近では家電でもキッチン用品でもインテリアに馴染むデザインかどうかが重視されているもんね……。小林製薬なりの譲歩……いや、配慮を感じた。
・メイクを落として、いざケアナボン……!
専用の容器に液を入れ、鼻を突っ込み、液が毛穴に行き渡るようモミモミスポットをモミモミ……。液は無色無臭の透明で刺激もない。「アイボン」的な感じで真上を向いても液がたれないのを想像していたが……。
モミモミスポットを押すたびに、鼻と容器の隙間からケアナボンの液がめっちゃこぼれる!!! 明るい場所で撮影するために、ベッドサイドで撮影していたため、シーツが濡れてしまった。洗面所やお風呂で使うほうがいい。
水流の勢いで毛穴の汚れを落とすのに、液がこぼれてしまったので、モミモミスポットをモミモミしてもいまいち液が循環しない……。使い方はかなりコツがいる。
とりあえず30回ほどモミモミする。ちなみに、「アイボン」と同様に「ケアナボン」も洗ったあとに取れた汚れが観察できるようになっている。
小林製薬、汚れを見せるのが好きすぎるだろ。まあ、実際見ちゃうんだけどさ。
見たところ……特に何の汚れも浮かんでいない。液の中に取れた角栓がぷかぷか浮いてたらそれはそれで怖すぎるけど。
・洗った後の鼻は…?
このときは「ケアナボン」に対してぶっちゃけ半信半疑だった。モミモミしててもなんかいまいち手応えないし、汚れも見えないし、なんかこう「アイボン」で目を洗ったときみたいな、わかりやすいスッキリ感がないのだ。
ところが……鼻についた液を洗い流すと……
めっちゃ鼻がツルツルする!
見た目に明らかな変化はないし、角栓が取れたわけではない。
だけど、鼻に触れたときの触感がケアナボン前はザラッとしていたのに、ツルっとしているのだ。こころなしか、毛穴に詰まった角栓が柔らかくなったような……。
このあとスキンケアをして、メイクをしてみたところ……小鼻まわりの化粧ノリが明らかにいつもよりいい。ケアナボン、やるな……!
・使い続けるとよさそう
たとえば、インターネットの怪しくて気持ち悪い広告みたいに「一度で毛穴ゴッソリ!」とはならないが、毎日使い続けることで角栓が取れやすくなる感じがする。徐々に角栓を崩壊させていく感じというか……。お風呂やサウナに入る前に使うとよさそう。
肌をこすったり、毛穴スッキリパックで強引に角質を抜いたりしてはいけない……というのがスキンケアの定説になりつつあるこの頃。
肌をこすったり、角栓をひっぱったりせずに角栓のケアができるという点で「ケアナボン」は画期的ではなかろうか。刺激も感じなかったし、とりあえず使い続けてみようと思う。
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.