NASAの無人宇宙船オリオンから届いた、クレーターだらけの月面写真

GIZMODO

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NASAの宇宙船「オリオン」から、荒涼とした月の表面を捉えた画像が届きました。

先週の月曜、アルテミス1の無人宇宙船は遠方逆行軌道(DRO)に入るために必要な2回の軌道修正マヌーバのうち1回目を実施。この軌道修正のタイミングでオリオンは月への最接近を果たし、月の表面から80マイル(約130km)の距離まで近づきました。このチャンスを生かしてNASAが撮った印象的な写真の数々は、こちらで公開されています。

以下、米Gizmodo編集部によるオリオンが集めた月のクレーター画像ギャラリーです。

周縁部の凸凹

Image: NASA

NASAの無人宇宙船オリオンの実証実験である、アルテミス1ミッションの6日目に撮影された一枚。

Image: NASA

巨大な新型ロケットスペース・ローンチ・システム(SLS)は11月16日にケネディ宇宙センターから飛び立ち、オリオンを月まで行って戻ってくる25.5日間の旅へと送り出しました。

クレーターの中にもクレーター

オリオンが捉えた、くぼみだらけの月の表面
Image: NASA

オリオンは月の最も目立つ特徴すなわち無数のクレーターが写るグレースケール画像を撮るにあたって、同船に取り付けられている光学航法カメラを活用。確かに何マイルにもわたってクレーターが存在していますし、クレーターの中にあるクレーターを捉えた画像もありました。

Image: NASA

オリオンの光学航法カメラは、同船に搭載されている16台のカメラのうちの1つ。このカメラは写真撮影に加えて、あらゆる段階と距離で地球と月の画像を撮ることでオリオンの航行をアシストします。NASAいわく、光学航法カメラで撮影された画像は「今後の有人ミッションで宇宙船を正しい方向に向けさせる方法として、その有効性を異なる光の条件下で証明する大量のデータ」を提供してくれるとのこと。

Image: NASA

月が40億年以上前に形成されたのは、火星ほどの大きさの天体が地球と衝突したからだという説があります。月はほとんど大気がなく徐々にクレーターができていますが、過去7年で約225個の衝突クレーターが新たに出現したという研究結果もあります。

再び月へ

Image: NASA

アルテミス計画を通して、NASAは持続可能かつ長期的な方法で人類の月面再訪を目指しています。現在進行中のアルテミス1ミッションは、同様のミッションを今度はオリオンに宇宙飛行士を乗せて実行するアルテミス2の土台作りと言えます。そちらは現時点では2024年の予定。

アポロ計画の着陸地点上空を駆け抜けて

Image: NASA

1回目のフライバイ燃焼の完了時に、オリオンは静かの基地内のアポロ11号着陸地点の上空およそ1400マイル(約2200km)を通過。その後アポロ14号の着陸地を高度6000マイル(9700km)ほどで、そしてアポロ12号着陸地を高度7700マイル(約1万2400km)ほどで飛んで行ったと、NASAは発表しています。

遠方逆行軌道

Image: NASA

オリオンが到達した遠方逆行軌道(DRO)とは非常に安定した軌道で、この軌道に乗った宇宙船は月から遠く離れた地点を、月の公転軌道と逆行するように航行します。

Image: NASA

オリオンは東部時間の11月25日午後4時52分に2回目の軌道修正マヌーバを実施。この燃焼によって、約1週間滞在するDROに入りました。ちなみに1回目のフライバイ燃焼の後には、オリオンのスピードは時速5,102マイル(約8,211km)に達しています。

Image: NASA

オリオンは現地時間の12月1日にDROを脱し、12月11日に地球に帰還する予定。

Image: NASA

アルテミス計画の最初のミッション2つは、NASAが男女1人ずつの月面着陸を試みるアルテミス3の前身にあたります。現時点で2025年に予定されている同ミッションですが、2026年あるいはそれ以降の実現となりそうです。

Source: Flickr, NASA, Nature, FLYING Magazine,