PayPayの新サービス「商品券」、用途の第1弾はさとふるの「お礼品」

CNET Japan

 さとふるとPayPayは11月16日、キャッシュレスサービス「PayPay」の新サービスとなる「PayPay商品券」を、ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」のお礼品として、11月29日から提供すると発表した。


(左から)栃木県日光市 市長 粉川昭一氏、さとふる 代表取締役社長 藤井宏明氏、PayPay 代表取締役社長執行役員CEO 中山一郎氏、山口県長門市 市長 江原達也氏

 PayPay商品券は、11月16日に同社が発表した電子商品券。有効期限は発行から6カ月以内だが、企業や自治体などの発行者は有効期限や利用範囲などを指定できる。

 11月29日からは、さとふるで希望の自治体と寄付額を選択して寄付したあと、さとふると連携させたPayPayで、寄付額の3割の金額をお礼品として取得できる。寄付額は1000円から50万円、全15種類を用意する予定だ。

 お礼品となるPayPay商品券は、有効期限が寄付から180日。寄付先の自治体が指定した地域内の店、施設の支払い方法として利用できる。アクティビティ体験や宿泊といった活用先が限定される従来のお礼品と異なり、地域内の多くのPayPay加盟店で幅広く利用可能。例えば栃木県日光市の場合、地域内の約550の店舗、施設で利用できるという。


PayPay商品券のお礼品としての利用フロー

 寄付者は、PayPayとさとふるを連携させることで、PayPay商品券の受け取りから訪問先自治体での支払いまでをPayPay上で完結できる。宿泊券などのお礼品の持ち歩きが不要になるほか、事前に寄付する必要がなく、その場で寄付して利用可能。観光や旅行で地域を訪れた際に気軽に利用できるとしている。

 さとふる 代表取締役社長を務める藤井宏明氏は、今回の取り組みに至った背景として、「地域に来てほしい、訪れたいという地域、寄付者のニーズがあった。PayPay商品券で地域と寄付者を結びつけることができる」とし、従来のお礼品の“現地に訪れるタイプの物が少ない”という課題を説明する。


ふるさと納税の現況

さとふる 代表取締役社長 藤井氏

 実際に、栃木県日光市 市長を務める粉川昭一氏は、お礼品について「日光市来訪の際、宿泊以外に現地で使用できる電子商品券などのお礼品が少ないことが課題」と話す。山口県長門市 市長を務める江原達也氏も、「魅力駅な観光コンテンツや事業者と、寄付者をうまく結びつけられていない」と、同様の課題を口にした。

 PayPay 代表取締役社長執行役員CEOを務める中山一郎氏は「これまでのふるさと納税の体験は、届いた商品を自宅で味わう、使うといった選択肢しかなかったが、(PayPay商品券で)地域の空気感を現地で味わう、体験できるという2つ目の選択肢を提供できる」と語った。

導入負担が少ないPayPay商品券の今後は

 PayPay商品券は11月14日時点で、2022年内に約30自治体での導入を見込む。約8000店舗以上の店舗、施設で利用できる予定だが、30という数値について、「(発表前に)全ての自治体にアナウンスができたわけでなく、話ができた特定の自治体という数値になるが、断られることはなかった」(藤井氏)と手応えを口にする。

 中山氏も、導入予定の自治体数について、「どの地域にとっても悪い話では無いと思う。目標としては、全ての自治体に使ってほしい」という。実際に粉川氏、江原氏の両市長ともに、従来のPayPayのオペレーション同様に使えるため導入の負担が少なくスムーズな活用が見込めるといったメリットを語りつつ、PayPay商品券が来訪客増につながることに期待を寄せていた。


PayPay商品券の導入メリット

PayPay 代表取締役社長執行役員CEO 中山氏

 また中山氏は今後の商品券の展開として、「お相手がある話なので私たちだけの話ではないが(お礼品としての活用だけでなく)、広くこの仕組みを活用いただけるお相手がいれば対応する。この仕組みを活用して展開できるさまざまな計画もある」と、今後のPayPay商品券の展開に含みを持たせた。

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