【やじうまPC Watch】テムザック、クモ型ロボット「SPD1」。下水道を群れで点検

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 サービスロボット専業の株式会社テムザックは2022年11月8日、下水道点検の作業効率化を助ける多脚歩行式ロボット「SPD1」を開発したと発表し、東京・千代田区で「新型ワークロイド クモ型ロボット『SPD1』発表会」を開催した。ロボットはクモに似た外見で、8脚で歩行する。単体でも群れでも動作する。操作はゲームコントローラで行なえる。

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2023年度に製品化予定

SPD1を紹介するテムザック 代表取締役社長 川久保勇次氏

 テムザック 代表取締役社長の川久保氏は、多脚歩行式の点検ロボットの開発経緯について「関西圏の会社の方から、既存機器の課題を伺った。現在の機器では見たい箇所が見られない。現在の機器は1台で何でもこなすために重たくなっていて、細い管は入りにくくなかなか普及してないとのことだった。そこで堆積物や汚水の影響を受けにくいものの開発を行なった」と述べた。

 下水道管は細くなったり太くなったりする。そこに対応するため足を開くことでφ200の管やφ300の管にも対応する。ロボットは群れでも単体でも稼働する。今後はカメラ以外のセンサーや作業可能なアームの追加なども検討する。小型化することで、1台が壊れても別のロボットで作業を継続させられるというメリットもあるという。

既存の点検機器ではまだ対応できない場所がある

「SPD1」は足を広げたり縮めたりすること管の内側に沿う

 簡単操作を重視し、ゲームコントローラーを使うようにしたのも現場からの要求によるものだという。重さ約3.5kgは下水道点検ロボット単品では最軽量に近い。バッテリ搭載ではなく電源ケーブルを引きずることにしたのも現場からのニーズとのこと。1日の作業距離は200mくらいを想定。

 今回公開されたものはプロトタイプで、これから2022年度は実際の下水道管調査現場で実証実験を行なったあと、2023年度には製品モデルの発表を予定する。外観はより実用的なものに変わる予定だが、もともとの遊び心も残したいとのこと。ロボット一式の最終販売価格の目標値は600万円。ロボットのアフターケアは国内で行なう。2024年度以降は、下水道点検以外の調査・作業市場への水平展開も狙う。

 川久保氏は「まだまだ人が亡くなることもある危険な現場は多い。少しでもきつい作業を少なくして、きついところは人がロボットをオペレートする新しい就業形態を作りたい」と語った。

実際の現場への適用・検討はこれから

今後の予定。2023年度製品化予定

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