プロ野球独立リーグの日本海オセアンリーグに所属する福井ネクサスエレファンツは、2022年11月5日に福井県越前市内で予定していたファン感謝祭を中止すると、4日に公式サイト上で発表した。
10月31日にチームの活動終了が発表されたことを受け、球団に対する「嫌がらせ」などが行われたことから、ファンの安全考慮のため中止を決めたとした。突然の中止発表に、開催を待ち望んでいたファンからは「え、中止なの?」「楽しみにしてたのに」などと困惑の声が聞かれている。
「イベント参加者の皆様の安全を最優先に考慮すべき」
福井は07年に設立。当初は独立リーグのベースボール・チャレンジ・リーグ(以下、BCリーグ)に所属し、名称も福井ミラクルエレファンツ→福井ワイルドラプターズと変遷した。21年オフには新設された日本海オセアンリーグに、同じBCリーグ所属だった富山、石川、滋賀とともに参入。運営母体を変更し、チーム名も現名称に改称した。今季は4チーム中3位。ドラフトでは濱将乃介内野手(22)が中日のドラフト5位に指名された。
しかし、22年10月31日には日本海オセアンリーグの公式サイト上で、福井の活動終了が発表された。また福井も同日、球団公式サイトで、運営会社のS.Sマネジメント福井が12月末で球団運営から撤退することを決めたと伝えている。同社は理由について「球団を取り巻く環境は厳しい状況にある」「将来的にも収益の確保、業績の改善が困難である」と説明し、撤退は「苦渋の決断」だったとした。
11月5日には参加無料のファン感謝祭が越前市アイシンスポーツアリーナで行われる予定だった。しかし、球団は開催前日の4日に、感謝祭を中止すると公式サイト上で発表した。
球団は、チームの活動終了発表後に「誹謗中傷や事実に基づかない悪意ある憶測を流布する行為がTwitterなどSNS上で多数行われていることが確認されました。また、球団事務所へのイタズラ・嫌がらせの電話、直接的な迷惑行為も発生しています」と説明。警察への相談や関係各所との協議の結果、「イベント参加者の皆様の安全を最優先に考慮すべきと考え、開催は中止すべきという判断に至った」と伝えた。