紅玉というりんごがたまたま手に入った。アップルパイに最適な品種だ。なのでさっそくアップルパイ作るかと思い立ち、作り方をネットで調べようとしたところ、妙な記述が目に入った。
「アメリカの開拓時代、りんごが手に入らなかった人々は、りんごなしでアップルパイを作った」
ん?アップルが入ってるからアップルパイなんだよね?りんごなしの「アップルパイ」って?と不思議に思い、作ってみることにした。
※2007年1月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
その前に本来あるべきものを
私は実は本物のほうのアップルパイを作ったことがないので、まずそちらから作って食べ比べねばなるまい。
簡単そうなレシピを探して作ってみた。
そして、180度のオーブンで15分ほど焼くとごらんの通り。
ちょっと感動だ。自分で言うのもなんだが、お店で売っているかのようである。ちょっと焦がしたけどな。
さて、こんどは「アップルを使わない」ほうのパイである。その材料とは?
その名も「モックアップルパイ」
モックとは「見せ掛けの」といった意味。例えばケータイ電話売り場で目にする電話機の模型のことをモックというが、まあそんな意味である。
ネットで調べたのだが、日本語サイトではこのモックアップルパイの作り方はヒットせず、英語の「mock・・・」でやっと文献に当たることができた。翻訳しながら格闘していこう。
そして出ました、リッツ。どうも文脈からして、これがアップルの代わりとか。大丈夫なのだろうか。
これも同じようにオーブンに入れる。そして15分後・・・。
意外な食べ比べ結果
見た目はほんとうに、アップルパイなのだ。香りは、レモンの香りがするが、香ばしいシナモンの香りのせいで、アップルパイのような気もする。
な、なんだか本当にりんごの煮たのみたいなことになってないか??これリッツか?あ、端っこはリッツっぽい。
なんだか信じられないような結果だったので、他の人にも食べ比べてもらうことにした。
「あれ?うーん、え?でもこっちがアップルパイですよねぇ・・・」
うん、そうなのだ。どっちかわからないくらいそっくりにできている、ということでもなく、識別はできるのだ。
さて、どっちが本物でしょう?
あったりー。まあ、そりゃわかりますよね。りんごの甘露煮がまんま入ってるんですから。
しかし、古賀さんはモック・・・のほうにもご執心の様子。
食べ比べての両者の感想だが、「本物のほうは味が強いが、モックのほうはやさしい味で、こっちも別物として成立しそうだ」、ということであった。
まさかと思って挑んだ「リッツによるアップルパイ」。普通に成功です。
その後、他の方にも試食いただいたのだが、「モックのほうが好き」という方も多かった。これはこれで新しい分野になるかもしれない。ちょっと面倒だけど。
りんごがまったくない状況なら、子供にせがまれてモックパイを作ってもだませるかもしれない。しかしもしりんごが手に入るような状況なら、やはりアップルパイの代用、というにはちょっと無理があるかもしれません。