一般社団法人プロモーションうるまは、沖縄県の多良間島、伊江島、伊平屋村で共創型ワーケーションプログラムの参加者を募集している。期間は11月~2023年2月。いずれも交通費・滞在費・食費は参加者の負担となるが、現地でのプログラム参加費は無料。申し込みはウェブサイトから行う。
本プログラムは、沖縄県による継続的な関係人口の創出を目的とした「令和4年度沖縄県しまっちんぐ推進事業」により、「沖縄しまむすびワーケーション」として実施するもの。それぞれの島(自治体)で企画された地域の課題などに向き合うプログラムに参加しながら、島でのテレワークができ、離島暮らしや二拠点生活に興味のある人向けとされる。このほかに久米島、沖縄本島の国頭村を含めた、全5プログラムが予定されている。
各プログラムには「ローカルパートナー」と呼ばれる人物がおり、プログラムをプロデュースしている。
多良間島では自然をめぐりながら「幸せになる選択」を考える
多良間島は宮古島から飛行機で約20分。宮古列島の島の1つで、北の水納島とともに多良間村を構成する。また、両島のほぼ全域が多良間県立自然公園に指定されている。同村ではこれまで観光産業に対する取り組みがなく、手つかずの自然が多く残っているという。実施期間は11月21日~30日、2023年1月7日~13日の2回。
多良間島のプログラムは、ある事象に対して相反する感情や態度を持つ「アンビバレンス」がテーマだという、同島では「観光振興と自然環境保護、一見相反する2つの取り組みのバランスをどう取るべきか」をテーマにコンテンツ作りをスタートさせたといい、県立自然公園をめぐりながら「私たちにとって、幸せになる選択は?」という問いの答えを考えていくという。
ローカルパートナーは多良間村出身の波平雄翔氏。那覇市内の制作プロダクションに勤務後独立し、同島を拠点に「地域離島コーディネーター」として活動している。
伊江島では「この島にしかできない観光プラン」を考える
伊江島、美ら海水族館がある沖縄本島の本部半島の先5kmほどの場所に位置し、島全体で伊江村を構成する。実施期間は11月27日~12月4日、2023年1月29日~2月4日の2回。
島には観光地が多数あり、戦跡史跡めぐりの修学旅行生も多いが、本島から近いこともあって、島に宿泊する観光客が多くない。また、アクティビティ事業者も多くないことから、体験プログラムが少なく、観光客の滞在時間を伸ばせないことが課題だという。
伊江島のプログラムのテーマは「ふるさとじかん」。島の生活やさまざまな産業を体験し、意見を出し合って、現状ではまとまった展開ができていない各産業を結びつけた、新しい環境プランを作り上げたいとしている。
伊江島のローカルパートナーは、伊江村出身の玉城堅矢氏。コロナ禍において主力の修学旅行民泊が大きくダウンしたことから、島でしかできないことを考え、島の未来を切り開こうとしているという。
伊平屋村では「島ならではの子育て・教育」を考える
伊平屋村は沖縄県内最北の村で、伊平屋島と橋で結ばれた野甫島の2島から構成される。実施機関は11月30日~12月5日。
同島は水産業や農業を基幹産業としているが、村の活性化のために、島の自然や歴史文化等の地域資源を活用した体験型観光振興に力を入れているという。プログラムのテーマは「島ならではの子育て・教育」で、学校の存続が危ぶまれ、島内に高校がないという課題について、島の人たちと一緒に考えていく。
伊平屋村のローカルパートナーは、叶雅美氏。2012年~2020年まで同村に住んでいて、自身も島生まれ、島育ち、島好き(鹿児島県奄美大島出身)であり、現在も島に関わる仕事をしているという。