IT(情報技術)見本市として知られる「CEATEC(シーテック)」が2022年10月18日に千葉・幕張メッセで開幕するのを前に、展示の一部が17日に報道陣に公開された。コロナ禍の影響で20、21年とオンライン開催が続き、対面での開催は3年ぶり。10月1日にはオンライン会場がオープンしており、初のハイブリッド開催だ。
この3年で「メタバース」と呼ばれるインターネット上の仮想空間が急速に普及。会場内には「メタバースエキスポジャパン」と呼ばれる特集コーナーも設けられている。ヘッドセットを使った体験コーナーもあり、目玉のひとつになりそうだ。
出展社は「コロナ前」の3割減
CEATECは2000年に初めて開催され、かつては「家電の見本市」として知られた。16年には、さまざまな機器がネットワークでつながるIoT(モノのインターネット)を中心にした展示に衣替えし、今では仮想空間と現実空間を融合させた「ソサエティー5.0」の実現と「共創」によって未来を描くことを掲げる。
22年のCEATECは、562社・団体が出展。オンラインだった21年の314社・団体よりも大幅に増えたが、「コロナ前」の19年に出展した787社・団体からは3割近く減少。対面形式への回帰は完全には進んでいない。
「メタバースエキスポジャパン」には30近くの企業が参加。体験コーナーも多数設置されている。例えば大日本印刷(DNP)がMetaと共同で出展している「みどころウォーク」のブースでは、フランス国立図書館の「マザラン・ギャラリー」を再現。ヘッドセットをつけて手すりをたどりながら前に進んだり、ポールを握ってらせん階段を上ったりする体験ができる。実際にはポールの周りを回っているだけだが、上を向くと天井画をより近い位置で見ているように感じることができる。
スタートアップ企業のバスキュールはJAXA(宇宙航空研究開発機構)と組んで、国際宇宙ステーション(ISS)のリアルタイムの映像を再現するメタバース空間を展示。宇宙飛行士になりきって、ISSから地球を見る様子などを体験できる。
展示以外にも、パネルディスカッションが多数予定されている。