JPNIC、「Internet Week 2022」11月21日~30日開催。オフラインセミナーは東京大学が会場 1万円で全セッション参加し放題になる「早割」の受付は10月31日まで

INTERNET Watch

「Internet Week 2022」公式サイト

 一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は、インターネットの技術者を対象としたイベント「Internet Week 2022」を11月21日~30日に開催する。今年のテーマは「インターネットの羅針盤~進路を未来に取れ~」

 11月21日・22日・24日・25日がオンライン開催の「オンラインWeek」、28日・29日・30日がオンラインプログラムとオンラインセミナーの「ハイブリッドWeek」という2つに分かれている。なお、オフラインセミナーは、東京大学伊藤謝恩ホール(東京都文京区)が会場となる。

 参加費は、全日程通して1万6500円だが、早割として10月31日23時59分までに申し込むと1万円に割引。この基本料金で、ハンズオンプログラムを除く全セッションにオンライン参加できる。なお、オフラインセミナーへの参加は、申し込みの際に無料のオプションとして申し込む。また、学生が無料で参加できる学割も設けられており、11月2日0時~11月16日23時59分に先着100人で申し込みを受け付ける。

 今回のInternet Weekは、開催から25年という節目の年だ。Internet Week 2022実行委員長でJPNIC理事の長谷部克幸氏は、現在は「インターネットは『みんなのもの』へ」というほど利用者が増えているとし、そのような中で「Internet Weekがインターネットに関わる方々の羅針盤でありたい、という想いを込めた」のが、今回のテーマである「インターネットの羅針盤~進路を未来に取れ~」だ。

オンラインWeek(11月21日・22日・24日・25日)

 11月21日に行われる「取捨選択できる運用組織」では、本来はネットワークの運用組織が行うべきではない“専門外の業務”をなぜ抱えてしまうのか、それを避けるにはどのようにしたらいいのか、概論・事例・パネルディスカッションに分け、解説や議論を行う。

 概論は波田野裕一氏(運用設計ラボ)、事例は松田昭穂氏(スカイアーチネットワークス)と宇野素史氏(クララオンライン)が登壇。また、パネルディスカッションでは藤崎正範氏(ハートビーツ)が加わる。

 21日にはそのほかに「モバイルネットワーク入門」が予定されている。

 22日は、IPv6の話題だ。中溝私歌氏(LINE)による「コンテンツプロバイダがIPv6対応するための7ステップ」のほか、「QoEからみたIPv6~CDNおよびストリーミング事業者が語る~」では、青野慧志郎氏(JOCDN)による「CDN事業者から見たIPv6」と、鍋島公章氏(Jストリーム)による「ストリーミング事業者から見たIPv6」が予定されている。

 そのほか、菊地信明氏(アマゾンウェブサービスジャパン)によるハンズオン「AWSクラウドによるIPv6対応Webサイト構築ハンズオン」がある。

 24日・25日は、セキュリティ関連のプログラムが予定さている。

「オンラインWeek」のスケジュール

ハイブリッドWeek(11月28日・29日・30日)

 11月28日は、「みんな集まれ! インターネットに関わる国際標準化のつどい」として3部構成で実施。ここでは、世界で議論・策定されている技術・制度の動向がつかめる。

 第1部では、新善文氏(アラクサラネットワークス)による「標準化って何なのか? 日本の取り組み(チュートリアル)」、中里学氏(総務省 通信規格課)による「標準化と総務省の取り組み」としてセミナーを行う。また、第2部のパネルディスカッション「使われる技術や制度に携わる魅力と国内での捉え方」では、木村泰司氏(JPNIC)がモデレータとして、網野尚子氏(総務省 通信規格課)らがパネリストとして参加する。

 また、2023年3月にインターネットの標準化団体であるIETFの会議が横浜で行われるのに合わせ、第3部では「2023年3月 IETF116横浜に参加しよう!」が開催される。

 Internet Weekのオンライン配信は、コロナ禍となった2020年から始まり、今回で3回目だ。「初のハイブリッド開催も支える! Internet Week 2022配信お悩み相談室」では、島田直人氏(エーピーコミュニケーションズ)による「コロナが流行って数年」、板谷郷司氏(CONBU/セレマアシスト)による「動画配信の基礎知識のその先へ」、島田直人氏(エーピーコミュニケーションズ)による「Internet Week 2022の配信」に続いて、「配信お悩み相談室」を実施。動画配信に関する悩みや質問を募集し、板谷氏と島田氏、鵜野直樹氏(帯広シティーケーブル)の3人が答えていくかたちで進められる。

 さらに「スナックとはプラットフォームだ!」(出典「日本の夜の公共圏 スナック研究序説」、スナック研究会編著、白水社)ということで、東大伊藤謝恩ホールに開店した「スナックまさこ2.0」に論客たちがお客として集まり、議論を交わすかたちで「プラットフォームを信じていいですか?@スナックまさこ2.0」が行われる。

 スナックのママの若江雅子氏(読売新聞 編集委員)とチーママの長倉克枝氏(日経BP)がお客様をお出迎え。常連客として宍戸常寿氏(東京大学大学院 法学政治学研究科 教授)と森亮二氏(英知法律事務所 弁護士)が来店する。

 一見客として、佐藤一郎氏(国立情報学研究所 教授)、谷脇康彦氏(インターネットイニシアティブ 副社長/デジタル政策フォーラム顧問)、クロサカタツヤ氏(企 代表取締役)、山本龍彦氏(慶應義塾大学大学院 法務研究科 教授)も加わり、誹謗中傷、フェイクニュース、海賊版、破産者マップ、アテンションエコノミーから、GAFAとの決別を目指すWeb3について語る。

 その第1部は「インターネット空間は信頼できるか」、第2部は「電気通信事業法改正で見えたこと」、第3部は「Trusted Web/WEB3って信じていいですか?」の予定だが、「当店のお客さまは話し出したら止まらない方も多いので、話がどっちの方向に進んでいくか予想もつきませんが、どうぞご容赦ください」とされている。

 29日は、DNSに関するセミナー「DNS DAY」を開催。関谷勇司氏(WIDE Project)による「Root DNS Update」、池田和樹氏(日本レジストリサービス)による「JP DNS Update」、永井祐弥氏(GMOインターネットグループ)による「新gTLD運用状況」、小山裕司氏(JPNIC)による「逆引きDNS Update」、小坂良太氏(NTTコミュニケーションズ)による「フルサービスリゾルバ利用状況」、藤原和典氏(日本レジストリサービス)による「IETF/RFC動向(仮)」、阿波連良尚氏(日本レジストリサービス)による「DNSソフトウェア動向(仮)」、古賀勇氏(インターネットイニシアティブ ネットワーク本部アプリケーションサービス部運用技術課 課長)による「ブランドを守るために必要な送信ドメイン認証」が予定されている。

 また、廃止済みのドメイン名を他人が悪用する事例をテーマにしたパネルディスカッション「ドメイン名ライフサイクルマネージメント(仮)」もある。

 30日は、「Web3の羅針盤」として、2022年時点での技術的・社会的な状況について専門家が解説する。

 横田真俊氏(さくらインターネット)による「Web3の定義(仮)」、加嵜長門氏(DMM.com)による「ブロックチェーンとトラディショナルシステム(仮)」、小宮山峰史氏(bitFlyer blockchain CTO)による「ブロックチェーンの技術解説(仮)」、阿部涼介氏(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任助教)による「用語解説(仮)」、篠原航氏(Startbahn. Inc, blockchain engineer)による「信頼性について(仮)」が予定されている。

 最後のプログラムは、Internet Week 2022を総括する「IP Meeting 2022」だ。吉田友哉氏(NTTコミュニケーションズ)による「第1部 インターネット運用動向2022」に続き、「第2部 IGF2023を睨み、情報社会のいろんなことを語ろう」「第3部 2030年目標への羅針盤(仮)」「第4部 2023年に向けて(クロージング)」が予定されている。

「ハイブリッドWeek」のスケジュール

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