ここ数年の化粧品の進化はすさまじいものがある。
YouTubeやインスタで誰でもメイクテクニックを真似できるようになったこともあり、元の自分の顔とはまったく別の顔になれる、と言っても過言ではなかろう。
インスタグラムで変身メイク系の投稿を好んで見ることが多いせいか、ここ最近あるファンデーションの広告が頻繁に流れてくるようになった。
ポンポンと肌の上にメイクスポンジを滑らせただけで、シミもシワもホクロもすべて消え去り、圧倒的な美肌になる。さらに顔に水をぶっかけても、マスクをこすりつけてもファンデーションが落ちることはない。
夢のようだが、本当にこんなことありえるのだろうか? 気になったので実際に購入してみた!
・なぜか商品名が出ないファンデの広告
そのファンデーションの広告動画で気になることは、なぜか商品名が書かれていない……ということであった。
商品を売りたいのなら、商品名を書いて然るべきであろう。インスタのアカウントはどうもインドネシアのものらしく、インスタに貼ってあるURLに飛んでも商品購入はできなかった。
動画に映るスポンジの「AGE 20’s」という文字を頼りに検索してみたところ……。
あっさり見つかった。
というか、普通にQoo10に公式ショップがあった。
商品名は「AGE 20’s シグネチャー エッセンス カバーパクト」
・インテンスカバー(カバータイプ)
・モイスチャー(しっとりタイプ)
・ロングステイ(崩れ予防タイプ)
の3種類で展開しているらしい。今回は動画と同じ黒いコンパクトの「インテンスカバー」を購入。
こんだけ美肌になれるファンデーションがあるなら、コスメオタクたちの間でもっと話題になっても良さそうなもんである。
・高級感ただようコンパクト
注文日は9月15日で、届いたのは9月24日。だいたい10日くらいかかった。届いたAGE 20’sのパクトを見ると……黒字に金でブランド名が入っていて、高級感が漂っている。
購入価格は約4000円(割引後)。詰め替え用のリフィルが2個付いていた。
中を開けると、よくあるクッションファンデではなく、固形のクリームファンデ。
白とベージュのミックスになっていて、くるくるっとパフで表面を撫でると、水分がジュワッと染み出してきた。これは美容液成分らしい。
私も40才手前……若い頃のツケがまわってきて、シミが浮き出しまくっている。顔面には隠したいものしかない。
とくに消えてほしいのが、こめかみのアザみたいなものである。
固形ファンデなら、さぞかしカバー力もあるだろうと期待しつつ、顔に塗っていく。
都合の悪いものをすべて消し去り、魔法のような美肌ができあがることを祈りつつファンデを肌にのせると……。
いや、自然か!!!!!!!!!!
記事を書きながら、どっちがBEFORE画像かAFTER画像かわからなくなるくらいだった……。
広告の動画みたいに何もかもカバーして消し去ってくれることはなく……むしろ、素肌感のあるつややかな美肌に仕上がった。残念ながら、シミもこめかみのアザみたいなものもバッチリ残っている。
むしろドラッグストアで売ってる韓国のクッションファンデの方がカバー力だけなら断然高いくらいである。
肌がしっとりして仕上がりはキレイである。だけど、看板には偽りありまくりじゃないか。
これは天下一品のこってりラーメンを注文したはずが、出てきたのは鶏出汁のあっさり系ラーメンでした……くらいの違いはある。美味しいけど注文したのはこれじゃないよっていう。
・崩れにくさはどうなんだ?
カバー色はそこまでだったけど、動画で水をぶっかけたり、ティッシュで顔をゴシゴシこすってアピールしていたメイクの崩れにくさとか、マスクへの色移りはどうだったかというと……。
まず、ファンデを塗ったあとの肌はかなりベタベタする。残念ながら、上からパウダーをはたかないと、顔がテッカテカになってしまう。
そして、1日ファンデを塗って過ごしたあとのマスクを見ると……
めっちゃ色移りしてる!
なんなら、いつも使ってるファンデよりも色移りが激しいくらいだ。すがすがしいまでに全部裏切ってくるな……。
・結論
AGE20’sのファンデは広告動画のような強力なカバー力はないし、崩れにくくもない。おそらく、広告動画はPhotoshopかなにかで修正をかけたものだったのだろう。
ただし、仕上がりはナチュラルで肌がしっとりするし、肌が荒れるようなこともなかったので秋冬のファンデーションとしての質はいいと思う。
完全に「思ってたんとちゃう」商品ではあったが、モノは悪くないので、毎日AGE20’sのファンデーションを使っている。普通にしっとりツヤ肌になれるファンデーションとして紹介してくれればよかったんじゃなかろうか。
最近は動画でも簡単に修正できるようになっている。インスタにあふれる魔法のようなメイクテクは果たして「化粧品の進化」なのか、それとも「画像修正の進化」なのか、嘘を嘘だと見抜くのが難しい世の中になってきたなあ……。
参考リンク:Qoo10 公式ショップ
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.