放っておくと人生は最適化されて、毎日・毎週・毎年だいたい同じような行動をとりがちです。だからこそ「初めてのこと」をたまに取り入れたいところ。ライターと編集部員に最近初めてやったことを聞いてみました。
自分の人生に初登場のものたち
こんにちは、編集部 石川です。
当サイトで9月にヒットした記事がこちら。
朝ラーメン、クラシックのコンサート、HUBに行く…などなど、他の人は普通にやっていそうだけど自分はやったことがない!ということを積極的に体験する一日。これがぜひマネしたいということで好評でした。
そんなわけでこの記事にちなみまして、この記事ではライター&編集部のメンバーに「さいきん人生で初めてやったこと」をきいてみました!
MRI検査
初めてやった人:
JUNERAY
頭が痛すぎて脳外科に行ったら、「とりあえずMRIを撮りましょう」と言われました。
しばらくして案内された部屋は真っ白で、中央にコールドスリープのポッドみたいなカッコいいマシンが置かれ、それに乗り込むだけでもすでにSFチック。
マシンに包まれるや否や、FAXの送信音をサンプリングしたの?という感じの、不思議な音楽(にしては前衛的すぎる)が大音量で流れてきて、興味深く聴きました。
けっこういい金額を払いましたが、あの音楽を聴けただけでも貴重な体験でした。ちなみに脳は無事でした。
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MRIの音はここで聴けます
ちなみにこの音の正体、MRIが発生させる地場の影響で本体が歪む/振動する音だそうです。
M-1グランプリ出場
初めてやった人:
安藤昌教
M-1グランプリの1回戦に出ました。1回戦は申し込めば全員出られます。
仕事終わってからネタの練習したり直前に公園で練習したり舞台そでで緊張したりと、全部が初めての経験で楽しかったです。これをずっとやってる芸人さんすげえなと思いました(結果は1回戦敗退でした)。
安藤とは編集部の同僚ですが、事前には全くそういうそぶりもなく、事後に急に聞かされたので驚きました。会社辞める時にやる挙動をM1に。
ラップの体験教室
初めてやった人:
まいしろ
ラップをやっている人に「ラップはギターやピアノと違って楽器がなにもいらない気軽な音楽なんだよ」と言われて「確かに」と思って体験教室に申し込みました。
まずは韻のふみ方のレクチャーから。「サカナという言葉で韻を踏んでみて」と言われ「あたま…かたな…」など私が1-2個考えている間に、先生は20個ぐらい出していました。なんでそんなにサクサク韻を踏めるのか聞いたら、電車に乗っているときは常に、頭の中で通り過ぎる駅名で韻を踏む練習をしているそうです。
その後は音楽に乗せてラップをやりました。ただこれは恥ずかしさが勝って低品質なラップしかできませんでした。ラップは1日にしてならず。ただ本当に気軽にできるのでおすすめです!
ラップって教室で習えるんだ…!という驚きがありました。
家事代行サービスのごはん
初めてやった人:
岡田悠
先日、初めて家事代行サービスでご飯を作ってもらいました。
「家事はなるべくサボりたい」という理念のもと、これまで掃除代行は利用してたのですが、料理はなんか他人に頼むのが憚られる「聖域」感があり…しかしいざ使ってみたら、最高。
美味い手料理を大量に(家族3人1週間分くらい)作ってくれるのに加え、子ども用は取り分けやすくしてくれたり、冷蔵庫の余りものを綺麗に使ってくれたり、足りない具材は買い出しに行ってくれたり、ついでに調味料を補充しといてもらえたり、至れりつくせり。
ミールキットすら面倒な料理苦手人間からすると、これでその値段なら全然払うぜ…という感動体験でした。
すごい!でもいっぱいあると一週間分なのに4日くらいでどんどん食べてしまいそうで怖い!!
幻のヘビを目撃
初めてやった人:
伊藤健史
実は割といるのだが低山地に住んでいてしかも夜行性で人目につきにくいため「幻の蛇」と呼ばれ、見つかるとやたら地方新聞に取り上げられる「シロマダラ」というヘビを生まれて初めて生きた姿で目撃しました。
秩父付近の登山道につながる林道をとぼとぼ歩いていたら擁壁の下にたまった落ち葉から数センチほど尻尾が出ており、かきわけてみると丸まってまったりしている幻のヘビの姿が!
安眠を邪魔されてめちゃめちゃ不機嫌な感じでしたが「お前そうやって昼間から隅っこで自分だけの世界に遊んで外部からの干渉を拒絶しようとしているのは平日の俺と同じだな」と無理矢理共感して何枚も何枚も写真を撮りました。シロマダラは薄笑いを浮かべて自分を見つめているおっさんが人畜無害だと悟ったのかしばらくぼーっとした後ゆったりと茂みの中に消えていきました。
急に「初めて」のスケール感が違う体験がきました。幻のヘビ。
いつもと違う時間に掃除
初めてやった人:
とりもちうずら
いつも夜に掃除するのですが、この間初めて朝に掃除をしてみました。
朝の光の中でみると、床の上の埃が異常にはっきり見え、ほうきや掃除機では全然キレイになっている気がしません。
埃に対しての解像度がぐっと上がっていて、感覚としては4Kぐらい鮮明でした。
あらゆるところの埃が気になり、気づけば何かに取り憑かれたように雑巾がけしていました。埃の解像度を上げたいなら、朝の掃除はおすすめです。
僕も以前、昼にひげをそったときに「寝ぼけてないとこんなにあごの感覚が鋭敏なんだ!?」と驚きました。時間ずらすだけでも発見があります。
レトロパチンコ
初めてやった人:
唐沢むぎこ
先月、はじめてレトロパチンコを打ちました。
「岐阜レトロミュージアム」という所には、今ではほとんどお目にかかれない古い台があります。入場料を払えば無限に玉を借りることができ、初心者でもトライ&エラーで遊べます。
私はそもそもパチンコの経験がなく、面白さを知らなかったのですが、玉が高速でカタカタおりていくのは工場見学っぽいし、玉がジャラジャラーっと出るのは「お宝ザクザク」って感じで楽しかったです。
「祝 大当たり」の札がいきなりめでたいです。玉が出るところに「HAVE A NICE DAY」って書いてあるのもいい…。
アイドルグループのコンサート
初めてやった人:
ネッシーあやこ
なんとなく行ってみたくなって、アイドルグループのコンサートに行きました。乃木坂46の神宮球場ライブです。
アイドルのみなさんがキラキラしているのはもちろん、舞台のセットや動物のかたちをしたでかい乗り物(たぶん手作り)のクオリティがものすごくって。照明が変わるタイミングも常に間違いがない感じで、美術スタッフや照明スタッフのことを思って、胸が熱くなりました。この日のためにどれだけの人数がどのくらいの時間をかけて準備したのか!と。
有名アイドルのコンサートって「なんとなく」でチケット取れるんだ!ネッシーさんからはもう一つ来てます。
キャンプ用品を買う
初めてやった人:
ネッシーあやこ
この前初めてキャンプ用品を買いました。一生組み立てられないと思っていたテントが割とあっさり組み上がり「構造を考えた人すげー!!」て気持ちに。
そういえば今年車の運転も初めてしたときも、「車を作った人すげー!!」ってなりました。新しいことを試すたび「作った人すげえな」という感慨にひたりがちです。
このでかくて飛びやすそうなものをこんな細いポールだけで!?っておもいますよね。柱ないの!?って。
船釣り
初めてやった人:
トルー
夏に初めて船釣りをしました。釣りが好きな友達が教えてくれるというので家族みんなでお世話になりました。
船釣りでも、教えてもらった通りちゃんとやると釣れるんですね。今思うと当たり前なのですが、釣れた瞬間は大興奮でした。
アジを釣ったのですが、持って帰ってみんなでさばいて、友達がお刺身となめろうにしてくれました。最高でした。
翌朝、台所の床にアジのウロコが散らばっていて朝日を受けて輝いていました。
最後、急に詩的になるトルー。
アリーナでスポーツ観戦
初めてやった人:
石川大樹
筋金入りのスポーツ嫌いの僕ですが、先月、人生で初めてアリーナでのスポーツ観戦に行きました!競技は車いすバスケットの日本vsスペインの親善試合です。
自分では絶対見に行こうと思わないところ、子供が応募した抽選が当たったんです。
選手が車いすごと思ったよりもガツンガツンすごい勢いでぶつかり合うので、すごい大迫力…!と思うとともに、指を挟んだら一巻の終わり…!と違う意味でも手に汗握りました。
試合展開も熱くて(スポーツ用の語彙がゼロですみません)、いざ見に行ったら面白いものだなと思いました。
ですが、そうこうしているうちにさいきん子供がテレビで野球を見始め、いつか野球も見に行くのかな…とそれはそれで面倒くさい気持ちになっています。
スポーツ嫌いと悪くないかなの間で揺れ動く心。
苔(こけ)テラリウム
初めてやった人:
小堺丸子
苔と石が好きな友達がやってるワークショップに参加しました。ガラス瓶に土を敷き、友達が自ら拾ってきた石を選んで配置、苔をピンセットでつかんで植えていく作業。
意外と丁寧だね、と褒められました。
帰ったら家にあるフィギュアを置くと世界観が生まれていいと言われて探したらこれ以上ないくらいフィットするヤツ(スターウォーズのワンシーン)が。
ちょうど苔を避けて立ってくれてるのがポイントです。とても気に入って机の上に飾ってます。
変な組み合わせなのにこれはこれで世界観が出来上がっていて、苔の包容力に驚きます。
朝のランニング
初めてやった人:
まこまこまこっちゃん
全く習慣になかったのですが、朝にランニングをしてみたところ、完全にハマりました。
朝から心拍数を上げることでギンギンに目が覚める感じが新鮮です。今まで早起きが苦手で、起きてからもずっとボヤボヤしたまま過ごしていたのですが、あれは寝てるのと同じだったと思えます。落ちた体力が少しずつ戻ってきているのを実感できるのも嬉しい。今では翌日が雨の予報だと、今のうちに走っておこう! と夕方にも走ってしまうほどになりました。
高校生くらいの頃は、近所の公園を走る大人を見て「なんでわざわざ走ってんの…」と不思議でしょうがなかったのですが、ついに自分もそちら側になってしまいました。大人になるってこういうことだったのか。
基本的には健康的だと思いますが、「ギンギンに目が覚める」「あれは寝てるのと同じだったと思えます」など別の意味で「目覚めて」しまったような言葉選びで少し心配です。
意外とやっている、初めてのこと
與座さんの記事では「初めてのことをやるぞ!」と決めてやりましたが、今回振り返ってみて、普通に日常生活を送っていても意外に初めてのことをしているぞ、ということに気づきました。
そういう何気ない「初めて」を、意識してみるだけでも生活に新鮮さが生まれてくるかもしれませんね!
では10月もデイリーポータルZをよろしくお願いします。