格闘技は家で見るに限る。間違ってもやるものではない。これまでの人生で、格闘技どころかケンカすらほぼしたことがない私(中澤)。正直、この先も自分がやることは一生ないと言い切れるほど興味がない。そもそも、体を動かすのも好きではないのだ。
ゴロゴロしながらゲームをする時間が至高。あとは寝ていたい。そんな私が40才で初めて「瓦割り」してみたらこうなった。
・気軽に瓦割りができる
実は、瓦割り自体には興味がないこともなかった。割れたら気持ちよさそうではある。でも、普通は空手家がパフォーマンスでやることなので、瓦割りをするためにはまず空手家にならないといけない。その上で、パフォーマンスする場に出られるくらい道場で重要な存在になる必要もある。
興味がないこともないのだが、瓦割りのためにそこまでする気にはなれない。と思っていたら、浅草の路地裏に瓦割り屋を見つけた。
そう言えば、瓦割り屋というものがあるらしいというのを以前、ロケットニュース24の記事で見た記憶がある。しかし、砂子間記者がレポートしている『瓦割り道場』とはまた別の店のようだ。瓦が積まれたガレージの前の垂れ幕には『瓦割りカワラナ』と書かれている。流行ってるんだろうか。
・コース
システムは大体同じで、チャレンジする枚数によって価格が設定されている。5枚2000円、10枚3900円で、5000円に「男24枚・女16枚」のプランがある。ちなみに、5000円プランは割り切れたら無料になるようだ。
とは言え、ワイルド系元サーカス団員の砂子間記者と違って、5枚すら割れるかどうか分からない。っていうか、1枚割れるかも怪しいところ。なにせ、こちとらマイルド系元自宅警備員である。
・割り方のレクチャーあり
と思いきや、瓦割りをする前にしっかり割り方をレクチャーしてくれた。受付で誓約書にサインした後、プランを選ぶと、担当者がフォームや狙う場所、注意点などを細かく教えてくれるのである。ちなみに、私が選んだプランは表の看板にはなかった「ブレイク願掛け8枚チャレンジ(3500円)」だ。
8枚積みの一番下にブレイクしたい・させたいヒトやモノの名前を書いた瓦を置くこのコース。見事名前が書かれた瓦が割れた暁には、ブレイクするという願掛けだ。割ってるだけに。
カワラナのSNSでアドレスなどもつぶやいてくれるとのこと。売れないバンドマンである私は自分のバンド『フリサト』を書いたが、好きな人やモノを推すのにも良いかもしれない。
・割れるのか
それにしても、これ割れなかった場合どういう意味を持つんだろうか。聞けば、使用するのは半分に割って使う熨斗(のし)瓦なので、割れやすく、普通の男性なら10枚くらいが平均らしい。つまり8枚は平均以下。
普通割れるはずの枚数が割れないってことは、もはや神に「ブレイクしない」と言われているに等しいのではないだろうか。そんなことになったら何も知らないメンバーに申し訳なさすぎる。絶対にミスれない……!
自分を書いただけにプレッシャーがヤベェェェエエエ!! しかも、1回勝負。素振りは何回やってもいいが、実際にやってみないと掴めない感覚もある。頼む……割れてくれ! 神に祈りながら拳を振り下ろした!!
・爽快感
ガッシャー! 耳に響く瓦の割れる音。でも、上から見ると重なった瓦が全部割れているのか分からない。そこでかき分けて確認してみたところ……うおおおおおお!
割れてる!!
思わずテンションが上がってしまった。俺でも、瓦割れるんや……。緊張しすぎて割った瞬間に力が入ってたのかどうかすら分からない。しかし、拳には心地いい痺れ。本当に、自分の拳で割ったんだなあ。
・アカン
なお、カワラナ側で割る瞬間の動画を撮影してくれるので、1人でも決定的瞬間を撮り逃すことはない。そこで、最後に自分が瓦を割った瞬間の映像を確認してみたところ……
割り姿、ダッッッッサ!!
8枚割れたしもっとキレのある動きをしているイメージだったのだが、動画を見てみると、動きは遅いし猫背だしなよなよだし、割りにいく前の「売れんぞー!」って雄たけびからすでにダサイ。運動神経の悪さがバレバレな動画が出来上がってしまったのであった。こりゃアカン。今度はもっとカッコ良く割りたい。
・今回紹介した店舗の情報
店名 瓦割りカワラナ
住所 東京都台東区浅草2丁目27-17
時間 土・日・祝10:00~17:00
休日 平日
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.