「Apple Watch Ultra」先行レビュー–【前編】日常生活やアルペンルートで試した印象は?

CNET Japan

 これまでのApple Watchと一線を画す、もっとも屈強な「Apple Watch Ultra」が登場した。特に、これまでスキューバダイビングや登山といったシーンでデバイスを使い分けてきた人には朗報だ。そうしたシーンからヘルスケア、日常生活まで、このApple Watch Ultra1つでカバーできるかもしれない。

これまでのどのApple Watchよりも2倍明るい、最大2000ニトのRetinaディスプレイ。日差しの強いアウトドアシーンでも見やすい「Apple Watch Ultra」
これまでのどのApple Watchよりも2倍明るい、最大2000ニトのRetinaディスプレイ。日差しの強いアウトドアシーンでも見やすい「Apple Watch Ultra」

 Apple Watchは、活動量計としての記録やアプリ通知の受け取り、Apple Payなどの決済機能、家庭用の医療機器として認可を受けた心電図アプリや睡眠記録といったヘルスケア機能など、日常生活に便利なスマートウォッチとして定評がある。

 さらに、Apple Watch Series 8とともに、新しく搭載された皮膚温センサーに加え、Apple Watch Ultraは摂氏マイナス20度の極寒環境から摂氏55度までの過酷な環境でも利用できる堅牢性を備えた。再設計されたコンパス、高精度2周波GPS、水深40mまでスキューバダイビングでも使える耐水性能を持つ。

パッケージには海がデザインされており、ウォータースポーツのために設計されていることがわかる。「開封の儀」はこちらから
パッケージには海がデザインされており、ウォータースポーツのために設計されていることがわかる。「開封の儀」はこちらから

 従来のApple Watchと、このApple Watch Ultraを比べるのはあまり意味がないと思うほど、デザイン面から機能、価格まで大きく振り切ったものになっている。発売に先駆け、実際に日常生活や山と海のアウトドアのシーンで数日間試した使用感をお伝えする。

Ultraを着けて眠れるか?–ファーストインプレッション

 セットアップを終えて身に着けた第一印象は、「画面が大きく、存在感がすごい!」というものだった。

 もっとも大きいApple WatchとなるUltraは、49mmのチタニウムケースを採用。サイズは49mm×44mm×14.4mmで、重さは61.3g。Apple Watch Series 8の45mm(45mm×38mm×10.7mm)ケースと比べて、アルミニウムなら22g以上、ステンレスモデルより10g以上重い。今回使用した、オーシャンバンドと本体を合わせた重さは、96gだった。

 落ち着いたケースの色がいい。デザインは、従来のApple Watchと大きく変わった。これまでは縁に膨らみが帯びたデザインだったが、平らなサファイア前面クリスタルを採用。ケースはディスプレイの縁を囲むように盛り上がっており、それがディスプレイを守るという。

 グローブをしていても操作しやすいよう、本体から少し突き出ているDigital Crownなどのボタン類、全体の厚みなどがいかにも堅牢性が高そうで、一言で言えば、ゴツい。これまでにはない雰囲気を醸し出している。

手持ちのダイブコンピューター(TUSAのIQ1204)は、液晶保護シートも含めて87g。Apple Watch Ultraはバンドも含めて96g。Apple Watch Ultraのほうが重いのだが、装着すると軽く感じる
手持ちのダイブコンピューター(TUSAのIQ1204)は、液晶保護シートも含めて87g。Apple Watch Ultraはバンドも含めて96g。Apple Watch Ultraのほうが重いのだが、装着すると軽く感じる

 個人的な話で恐縮だが、これまで歴代のApple Watchはすべて小さいサイズを好んで使用してきた。直近では41mmのApple Watch Series 7だったこともあり、このApple Watch Ultraは確かにかなり大きい印象になるが、たとえばスキューバダイビングで使用しているダイビングコンピュータ(スマートウォッチの機能は持たない)と比較すると、やや小さく感じられ、Apple Watch Ultraは日常でも使いやすいデザインだと感じる。なによりも、海でも陸でもオールマイティに使える点に魅力を感じ、実は個人的にもすでにオーダーしてある。

 なお、今回のレビューでは、Apple Watch Ultraに合わせて登場した「ウェイファインダー」文字盤を使用した。Apple Watch Ultraのディスプレイのためにデザインされており、最大8つのコンプリケーションを設定できるスペースと目盛り盤に埋め込まれたコンパスを備える。

watchアプリの「文字盤ギャラリー」から「ウェイファインダー」を選び、スタイルやベゼルを選べる
watchアプリの「文字盤ギャラリー」から「ウェイファインダー」を選び、スタイルやベゼルを選べる

 ウェイファインダーは、設定時にスタイルやベゼルを選べるようになっており、ベゼルに「高度/斜度」を選ぶと時針と分針が長く表示されるなどスタイルも変わるので、好みを探そう。コンプリケーションは、歩数や天気、ワークアウト、心電図アプリといったよく使うアプリと、サイドボタンに水深アプリにカスタム。リリースされ次第ダイブコンピュータとして使える「Oceanic+アプリケーション」を設定するつもりだ。

 実際に使ってみると、ディスプレイが大きい分、メッセージやメールも表示できる文字量が多い。スクロールする手間が減り、便利になったと感じた。もし、表示が小さすぎる場合は、ディスプレイを下から上にスワイプし、「ぁあ」をタップしてDigital Crownを回すと調整できる。

文字の大きさを変更できる
文字の大きさを変更できる

 Apple Watchは、睡眠記録としても活用している人が多いだろう。当初はこれを身に付けて眠れるだろうかと不安になったが、数日試してみたところ、重くて目が覚めるようなこともなく、意外とすんなり使えている。

 とはいえ、本体だけでも60g以上あるものを就寝時に身に付けるのは、気になる人も当然いるように思う。睡眠時だけ従来のApple Watchを使う、あるいはほかのデバイスを使うといったことも視野に入れながら検討するのがいいだろう。

睡眠記録にももちろん使えるが、大きさから合う合わないがありそうだ。Apple Watch Ultraと手持ちの活動量計(Fitbit Luxe)。Fitbitは標準ではヘルスケアアプリとは連携ができないので注意
睡眠記録にももちろん使えるが、大きさから合う合わないがありそうだ。Apple Watch Ultraと手持ちの活動量計(Fitbit Luxe)。Fitbitは標準ではヘルスケアアプリとは連携ができないので注意

 なお、Apple Watch Ultraでは、耐久レースのアスリートやランナー向けの薄いApple Watchバンド「トレイルループ」、探検家向けに作られたG字フックファスナーでしっかりと固定できる「アルパインループ」、ウォータースポーツ向けの「オーシャンバンド」の3つの新しいバンドが用意されている。

 Apple Watch Ultraの購入時に選べるのは上記の3つのいずれかになるが、いずれもかなりカジュアルだ。もう少しフォーマルな時にも使えるバンドを追加したい、日によって気分を変えたいといった場合は、49mmのケースと互換性を持つ45mmのバンドから検討できる。

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