英国では9月19日に行われるエリザベス2世の葬儀の準備が進んでいるが、ビューティ業界はファッション業界とともに女王に追悼の意を表している。
メイクアップアーティスト初のデイム、パット・マグラス氏の追悼
メイクアップアーティストのデイム・パット（・マクグラス氏）は、9月8日、インスタグラムの投稿で次のように述べている。「女王陛下の生涯にわたる任務、献身、奉仕はこれからも私の大きなイスピレーションとなるでしょう。国王陛下と王室、同胞の英国人、そしてエリザベス女王を心から愛していたあらゆる人たちに心からお悔やみを申し上げます」。マグラス氏は2021年の新年の叙勲に選ばれて、ナイトに相当する女性の称号であるデイムを女王から授与された最初のメイクアップアーティストとなった。同氏は2014年にMBEを授けられている。
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MBEシャーロット・ティルベリー氏のメッセージ
メイクアップアーティストのシャーロット・ティルベリー氏は、自分のインスタグラムに次のようなメッセージを寄せた。「女王陛下は私の生涯においていつもインスピレーションの源でした。女王の治世下の私たちの生活には信じられないほどの変化がありました。その間ずっと陛下は変化を受け入れ、国民の心の支えとなり、継続性と誇りをもって国を導かれました。確固として国への任務を行った女王陛下の奉仕の生涯は皆にとって教訓であり続けるでしょう」。ティルベリー氏は、2018年に女王誕生日の叙勲リスト入りして授与されたMBEの称号でこのメッセージに署名した。そして次の投稿では、「感動的な演説を行い、それを英国とイギリス連邦と分かち合った」国王のチャールズ3世に敬意を表した。
ティルベリー氏のビューティブランドはリップスティックの色合いを「ザ・クイーン（The Queen）」や「レジェンダリークイーン（Legendary Queen）」などと名付けて、長年にわたり女王からインスピレーションを得た製品をリリースしてきた。「レジェンダリークイーン」は現在、同ブランドのサイトでは売り切れている。
女王を追悼する御用達ブランド
称号を授与されたビューティブランド創業者のほかにも、英国王室御用達（ロイヤルワラント）ブランドも哀悼の意を表している。女王の620の王室御用達ブランドには、ヘルスとビューティカテゴリーの合計16ブランドが含まれており、ブランドは王室の紋章を表示して女王に商品を提供したことを宣伝できる。ワラントは女王の逝去時点で無効になっているが、公式の方針では王室の紋章と「女王陛下御用達（By Appointment to Her Majesty the Queen）」の表記を今後2年間は使用できるとされている。
2013年から女王御用達トイレタリーであるラグジュアリーバス・フレグランスブランドのモルトンブラウン（Molton Brown）は、女王への哀悼の意を表して店舗を1日閉めたことをインスタグラムで発表した。現在、同社サイトのメインページの上部には女王への追悼の意が表示されている。
女王が結婚式の日に選んだフレグランスブランドといわれているパフューマーのフローリス（Floris)（ちなみにメーガン・マークル氏の結婚式のフラグランスを担当したことも確認されている）も、自社インスタグラムとホームページに女王へのオマージュを投稿した。フローリスは故エリザベス2世の御用達ブランドであるが、初めてロイヤルワラントを受けたのは1820年にさかのぼる。
女王への追悼の意を投稿した女王のロイヤルワラントブランドには、クラランス（Clarins）、エリザベスアーデン（Elizabeth Arden）、ブーツ（Boots）、D.R.ハリス（D.R. Harris）、ケント（Kent）、ブロンリー（Bronnley）などがある。
女王の愛用ネイルブランド、エッシーのコメント
ネイルブランドのエッシー（Essie）は、同社の淡いピンクの「バレエのトウシューズ」シェードが女王のお気に入りだと言われている。同社もインスタグラムの投稿で女王を追悼した。エッシーはインスタグラムに有名なそのシェードの画像を投稿し、「女王陛下はエッシーの歴史の一部であり、恩寵と感謝の意をもって王室と女王陛下を愛した世界中の人々に心からお悔やみを申し上げます（元記事ではここに絵文字が2つ）」。女王への追悼としてあのトウシューズ色のマニキュアを買いに行くというコメントが寄せられている。
エッシーは王室御用達には認定されていないが、同社公式サイトによると、1989年に女王の美容師からトウシューズ色を要望されたということである。そしてこれは「女王陛下が使った唯一のカラー」だったと述べられている。
［原文：Dame Pat McGrath, Charlotte Tilbury among beauty founders paying tribute to late Queen Elizabeth II］
LIZ FLORA（翻訳：ぬえよしこ、編集：山岸祐加子）
