「大いなる力には大いなる責任が伴う」というのは、スパイダーマンに出てくる名言である。これはグルメ記事を執筆する “グルメライター” たちにも当てはまるのではなかろうか? そして我々ロケットニュース24は、常に読者に誠実でありたいと考えている──。
……なんて、大げさなことは考えていないものの、結果的に化けの皮が剝がされる恐ろしい企画『グルメライター格付けチェック』の第18回は「ハンバーグ編」をお届けしたい。今回は意外と余裕かと思いきや……!
・加工食品は簡単?
グルメライター格付けチェックにおいて「加工食品」は比較的正解率が高いジャンルと言えよう。おそらく素材の違いや調理工程が結果的に味として反映されやすいためで、これまでも「カレー」や「餃子」は半数以上が正解している。
一方で「たまご焼き」などの超難問が紛れていることも事実なので油断は禁物。もはや参加者の誰もが自分の味覚を信用していないため、極めて謙虚な気持ちで「ハンバーグ」と向き合った次第だ。
・高い方を当てる
さて、ここで『グルメライター格付けチェック』のルールを説明しておこう。参加者は目隠しをしたまま “超高級食材” と “普通の食材” を味見し「どちらが高いか?」を当てる。ウマいマズい、好き嫌いは関係なく「高い方」を当てれば正解である。
今回用意した高級食材は「銀座Sun-mi(サンミ)」の黒毛和牛ハンバーグで、価格は1つ1080円。1975年創業洋食店のハンバーグは、伊勢丹で取り扱われてていた。レトルトなのに1000円超えという文句なし高級食材である。
もう一方は伊藤ハムの「旨包 ボリュームリッチデミグラスソースハンバーグ」で、こちらは1つ368円。価格差はおよそ3倍弱という計算になるが、果たしてグルメライターたちは味の違いを見極めることが出来たのだろうか?
予想以上に「これは余裕!」と言うメンバーが多かった一方で、あえて裏をかく参加者もチラホラ。各自が導き出した答えはというと……!
サンジュン:B「これはわかったかも。小さい頃からハンバーグは家で食べるものだったんだけど、Aはたまに外で食べるハンバーグの味がした。手作りではない味って言うのかな? 大してBも手作りっぽい感じはそこまでしなかったんだけど、牛肉の味がしたよね。ソースもデミグラ全開だったし、これはBでしょう」
GO羽鳥:A「Aはにんにくの香りが強めだねぇ。……ってBもにんにく強いな! これはわかんないよ~。Bはインパクトが強くで好きなのもB。Aは食べたとき “これでいいのかな~?”って感じがしたんだよね。ただBはわかりやすすぎるんだなぁ~。うーん、悩んだけどこれは裏をかいてAだ!」
中澤:B「結構自信あります。なぜなら安い方のハンバーグを何回か食べたことあるんですよ。もう確実にBですね。Aは伊藤ハム感がありました。Bはマジでウマい。肉もウマいし、ソースも赤ワインの味がしましたね。これだけ違ったら流石にみんなわかるでしょ。自信ありますよ」
あひるねこ:B「ハンバーグはそんなに食べないですかねえ? まあでも最初に食べた方が安いんじゃないかな~? Aはハンバーグ(加工食品)の味がしたんですね。その点、Bはハンバーグそのままでした。もう前回のすいかに比べたら楽勝ですよ。もう今回は全員正解なんじゃないかな? 仮にBが伊藤ハムなら最強伝説生まれますよ」
砂子間:B「Aもめちゃめちゃウマいんですけど、いつものがAでした。大してBは いつものやつじゃなかったですね。最近、外しまくってるので、ちょっと考え方を変えます。好みとかいったん置いておいて、素材とか風味を慎重に見極めようとしました。とにかく今回は “いつもの感” で判断してBにします」
佐藤:A「これはAとちゃいますか? Bはソースの味が科学的だし、肉々しさが無かったな。なんか練り物というか。俺なら1000円払いたいのはAだったな。Aのどこがウマいか聞かれると難しいんだけど、比較したらやっぱりAの方が1000円の味がした。まあまあ自信あるぞ、これは」
亀沢:B「ハンバーグはよく食べるね。でもAが安いだろうな。どっちもそんなに美味しくなかったけど、ソースで選んでBかな。あとBの方がつなぎが少なそうかな? なんかBは “高い味ってこういうことなんでしょ?” っていう雰囲気があった。Aは子供向けというか、甘かったよね。まあこれはBでしょう」
Yoshio:B「結構自信あるんだけど、こう来たか……。まずソースが違ったよね、Bはデミグラスソースのコクと焦げた感じがしたし、高級感があったんだよ。Aは一般的だったかな? Bは肉がゴロゴロしてるけど、Aはやわらかい。高い方は肉々しい感じで攻めてくると思うんだよなぁ。まあ今回はもらったでしょ」
原田:A「Bはちょっとわざとらしい感じがするんだよな~。Aも大して美味しいとか思わなかったんですけど、あまり味わったことが無いソースでした。Bはスタンダードすぎる気がしたんですよねぇ。年寄り理論だと、Bは味が濃すぎました。Aの優しいソースがオラオラしてなくていいんじゃないでしょうか?」
今回は9名が参加し、答えは「3 : 6」で割れた。比較的簡単だったがゆえ、裏をかいたメンバーの結果やいかに!
おりゃーーー! どうなんだ!!
どっちが銀座のハンバーグなんだーーーー!!!!!
正解は……
B!!!!!! Bが銀座のハンバーグ!!!!!
まあ、これはね。仮に伊藤ハムがBだった場合、あひるねこの言う通り「最強伝説」が生まれるところであったが、やはり価格差が味に表れていた。伊藤ハムのハンバーグもきっちりウマかったが、3倍の価格差を埋めるまでには至らなかった印象だ。
正解で9勝1敗(正解率90%): 亀沢「ソースが全然違う」
正解で11勝2敗(正解率84.6%): 中澤「Aは伊藤ハムの味がした」
正解で13勝5敗(正解率72.2%): サンジュン「Aは家じゃない味がしたよね」
不正解で10勝6敗(正解率62.5%): 原田「Bはわざとらしすぎる」
正解で9勝6敗(正解率60%): あひるねこ「Aは加工食品の味がしました」
正解で10勝7敗(正解率58.8%): 砂子間「いつものっぽくないのがBです!」
不正解で9勝7敗(正解率56.2%): GO羽鳥「裏をかいてAだ!」
正解で8勝7敗(正解率53.3%): Yoshio「Bはソースも肉も高級感があった」
不正解で7勝7敗(正解率50%): 佐藤「自信を持ってAだな」
結論としては「裏をかくタイミングは慎重に」ということと「佐藤の謎の自信はロクなことがない」となるだろうか? 次回は難問揃いのフルーツから、今が旬の「梨編」をお届けする予定だ。どうぞ次回もお楽しみに!
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.