「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。」と言ったのはアーサー・C・クラークだが、私は「十分にうまく作ったねんどは、3Dプリントと見分けがつかない」と言いたい。
いや、わかんないでしょ?
ねんどだって広義の3Dプリントだ。石器時代から我々の祖先は、見よう見まねで土器や土偶を3Dプリントしてきた。その枯れに枯れた技術と3Dプリンタで作ったものを見分けるクイズ大会を開催した。モニターの前のみなさんも、ぜひ一緒にクイズに参加してほしい。
ルール
- 目の前にあるものが3Dプリンタで作られたものか、ねんどかを当てる。
- まずは3mの距離から回答、次に1.5mまで近づいて回答。
- 3Dプリント、ねんどともに表面加工あり
問題は全5問。最後の表面加工をありにしたことで一気に難易度があがった。
回答者は3名。視力が物をいうゲームなので、橋田さん、藤原さん、安藤さんの視力を書いておこう。橋田さんは「アベレージで1.5、調子が良ければ2.0まで行く」とボウリングのスコアみたいなことを言っていた。
出題者チーム、林(私)。3Dプリンタ使いとしてクリエイティブユニット ImageClubの東さん、高田さんに協力してもらった。私は当然ねんど担当である。
第1問
最初の問題はこれ。
ジャン
さあ、お考えください!
3人の意見、というか見ながらの文句はだいたいこんな感じ。
ファーストインプレッション
まずは現時点での見立てを発表してもらう。
それでは1.5mの距離まで近づいて、もう一度考えてもらおう。
近づいての感想
近づいての見立てはこちら。
3Dプリントが有力になってきた。1問目だけ特別にギリギリまで寄っていいことにした。もう一度考えてもらおう。
「藤原は3Dプリントって思おうとしているでしょう? でも違うよ、これはねんどだよ」と安藤さん。混乱したときに突如現れるリーダーを信頼していいのか?!
近くまで寄ったところで3人の意見が一致した。それでは回答です。
(もったいぶるための間)
第1問:回答
「3Dプリントです!」高田さんの嬉しさがマスクからはみ出している。
いかがでしたか?
まじかよ
うそでしょ
なんでこんなものを作ったんだ
感想というか、文句である。ぎりぎりまで近寄って全員が違った答えを出したときはドーパミンがどくどく出た。この企画をやってよかった。
これを作ったのはImageClubの高田さん。本人に解説してもらおう。
「ねんどをこねて作ったものを3Dスキャンして、それを3Dプリントして積層の跡をやすって消しました。時間を掛けて丁寧に。やるからには本気を出しました」
とのこと。こういう要らないことにパッションがある人は信頼できる。ちなみに今回、表面加工はOKのなんでもありである。
見分け方としては1ヶ所、3Dプリントらしさの跡を消しきれてないところがある。
カメラでは映らなかったので拡大鏡を通して撮影。これがヒントです。
ちなみにこれが元のねんど。
「これがねんどか。おぼえておこう」と縄文時代ライクな感想が出たところで第2問!