太陽系外から飛来して海に沈んだ「恒星間天体」を磁石で回収する計画が立案される

GIGAZINE


ハーバード大学の研究チームが、2014年に太陽系外から飛来した隕石(いんせき)「CNEOS 2014-01-08」の回収計画「Galileo Project(ガリレオ計画)」を立案しました。ガリレオ計画は巨大な磁石でCNEOS 2014-01-08を海中から回収することを目的としており、160万ドル(約2億1600万円)の費用がかかると見積もられています。

[2208.00092] An Ocean Expedition by the Galileo Project to Retrieve Fragments of the First Large Interstellar Meteor CNEOS 2014-01-08
https://doi.org/10.48550/arXiv.2208.00092


Astronomers plan to fish an interstellar meteorite out of the ocean using a massive magnet | Live Science
https://www.livescience.com/interstellar-asteroid-fishing-expedition

CNEOS 2014-01-08は2014年1月8日にパプアニューギニアの北東沿岸部に落下した隕石で、落下速度が太陽系内の小惑星ではあり得ない速さであったことから、太陽系外から飛来した恒星間天体であると推測されています。

ガリレオ計画では船舶から巨大な磁石をぶら下げ、CNEOS 2014-01-08が落下したパプアニューギニア周辺の海域を10日間にわたって航行し、磁石に約0.1mmの隕石を引き寄せます。研究チームの一員であるアミール・シラージ氏によると、CNEOS 2014-01-08は強い磁性を持っている可能性が高いとのこと。このため、ガリレオ計画で回収する隕石の中にCNEOS 2014-01-08の破片が含まれることが期待されています。


ガリレオ計画の実施には160万ドルの費用が必要であり、すでに50万ドル(約6700万円)の資金を確保しているとのこと。シラージ氏は「恒星間天体を分析するもう1つの方法は、地球の付近を通過する恒星間天体にアクセスする宇宙ミッションを開始することです。しかし、宇宙ミッションにはガリレオ計画の約1000倍の費用がかかるでしょう」と述べ、ガリレオ計画のコストパフォーマンスの高さをアピールしています。

なお、CNEOS 2014-01-08のような恒星間天体は宇宙の神秘を解き明かすカギとして注目されており、2017年には地球に接近した恒星間天体「オウムアムア」の観測結果から組成や軌道が分析されました。ガリレオ計画によってCNEOS 2014-01-08が回収された暁には、さらに詳しい分析が行われることが期待されています。

太陽系外から飛来した小天体「オウムアムア」は葉巻型で岩石質か金属質 – GIGAZINE


この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「我々は数十年間、この日を待っていた」、太陽系の外から飛来したと考えられる謎の天体を確認 – GIGAZINE

オウムアムアより先に「史上初の恒星間天体」が観測されていた可能性が政府の極秘データから判明、しかも地球に飛来していた – GIGAZINE

観測史上2例目の「恒星間天体」の撮影にハッブル宇宙望遠鏡が成功 – GIGAZINE

太陽系外から飛来した小天体「オウムアムア」は葉巻型で岩石質か金属質 – GIGAZINE

・関連コンテンツ

2022年08月10日 23時00分00秒 in サイエンス, Posted by log1o_hf

You can read the machine translated English article here.

Source

タイトルとURLをコピーしました