Intelの革新的なメモリ技術「Optane」はなぜ誕生したのか?

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2022年7月に行われた決算発表において、IntelはMicron Technologyと共同で開発したメモリ技術「Optane」の事業を終了させる方針を明らかにしました。DRAM並に高速なのにSSD並の低価格帯で提供できるというOptaneがなぜ生まれ、なぜ消滅したのかを、The Registerの記者であるLiam Proven氏が語っています。

Why the end of Optane is bad news for the entire IT world • The Register
https://www.theregister.com/2022/08/01/optane_intel_cancellation/

Proven氏はOptaneを「革新的だったが、Optaneがどれほど革新的なのかを理解している人が極少数だったために流行しなかった」と評しています。

PCにメインメモリ(RAM)である一次記憶装置と「ディスク」や「ドライブ」などと呼ばれる二次記憶装置という区別が生まれて以降、コンピューターを起動するにしても、なんらかのプログラムを使うにしても「ディスクからRAMへロードする」という動作が確立されてきたとProven氏は指摘。

ディスクの内容をインデックス化し、必要な部分を見つけ出し、メモリにロードするというOSの動作を簡略化するため、ディスクコントローラーやSSDが開発されてきました。

SSDは通常1メガバイト以上の塊でしか消去できないストレージのブロックをシャッフルし、512バイトのセクタを書き込むハードディスクのような機能をエミュレートする機能を持っています。しかし、OSがSSDと同様の方法でアクセスするフラッシュメモリの1バイトを書き換えるには、そのブロックの残りの内容を別の場所にコピーし、ブロックごと消去しなければならないという制限がありました。

by UC San Diego Jacobs School of Engineering

それを解消することを可能にしたのがOptane。SSDと同じようなサイズでありながらマザーボードのDIMMスロットに直接装着することができ、プロセッサーのメモリーマップに1バイト単位で表示され、1バイト単位で直接書き換えることができる機能を備えていました。プログラムは一度ロードすればメモリ内に存在し続けるなど、Optaneはほぼ二次記憶装置の役割を備えた一次記憶装置となったのです。

しかし、Proven氏は「現在の主流なOSは、一次記憶装置しかなく、小さな揮発性セクションと大きな不揮発性セクションに分かれているコンピュータという概念を理解していない」と指摘。Linuxはソフトウェアで二次記憶装置をエミュレートすることで対応したものの、他のOSは軒並み消極的な対応となり、「ミニコンピュータ以来の発明だったにもかかわらず、誰も使いこなすことができませんでした」と締めくくりました。

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2022年08月09日 23時00分00秒 in ハードウェア, Posted by log1p_kr

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