IT基盤構築サービスなどを手掛けるコムチュアネットワークは7月29日、インテル vPro プラットフォーム導入を検討している企業向けに、実際の利用環境で実証が行える「インテル vPro プラットフォーム導入PoC支援サービス」の提供を開始した。あわせて、実施事例として同社ウェブサイトなどでのモニターレポート紹介を条件に、サービス料金を50%オフにするモニターキャンペーンの募集も実施する。モニターキャンペーンの受け付けは8月31日までの予定で、条件は以下のとおり。詳細については同社キャンペーンサイトを確認のこと。
モニターキャンペーンの条件
この企画はコムチュアネットワーク主催の「インテル vPro プラットフォーム導入PoC支援サービス」のモニター協賛いただいた企業向けの特別プランとなる。
【プラン内容】
- コムチュアネットワークの提供するサービスメニュー「インテル vPro プラットフォーム導入PoC支援サービス」について、適用条件に同意いただけることを前提に、以下のプランを提供する。
①サービス費用を50%割引き
②PoC期間中のPC無償貸与(5台まで)
【適用条件】
- モニター実施の企業向けに、PoCのサービス終了後、運用サービス利用へ向けた提案等をすることに同意いただくこと。
- 「インテル vPro プラットフォーム導入PoC支援サービス」の実績を元に、社名を公開した形で「モニターレポート」を作成。コムチュアネットワークのウェブサイト、およびINTERNET Watch誌面にて公開することに同意いただくこと。
- PoC実施状況について、貴社個人情報を除いた形でインテル株式会社と共有することについて同意いただくこと。
半額になるモニターキャンペーン!! 検証用vPro搭載マシンの無償貸し出しも
同社はシステムインテグレータとしてさまざまなソリューションサービスを提供するコムチュアの子会社で、主に企業のインフラ設計、構築、運用、管理などを手掛けている。
同社マネージド・サービス第一部の部長 水嶋孝志氏と、課長 柏木光浩氏によると、近年では大企業だけでなく、中小企業の情報システム管理者からも、インテル vPro プラットフォームについての問い合わせが増えているとのこと。
「コロナ禍以降、情報システム管理者が出社できないという状況について、その対策を模索されている企業からの問い合わせが増えました。とはいえ、企業によって環境が異なる中で、何の検証もしないまま、いきなりインテル vPro プラットフォーム搭載PCにリプレイスするというのはハードルが高いという声が多くありました。そこでまずは検証するパッケージを作れないかと企画したのが、今回ご用意したPoC支援サービスになります」と水嶋氏。
今回スタートした「インテル vPro プラットフォーム導入PoC支援サービス」では、コムチュアネットワークがインテル vPro プラットフォームのテスト環境を構築。さらにvPro搭載PCのレンタルもできる(最大5台)ので、検証に必要となるPCや環境準備等のコストを極力抑えつつ、実際に利用する環境で運用の概念実証(Proof of Concept)ができる。
なお、企業によって環境が異なるため、以下の3つの提供パターンを用意している。
EMAの構築・利用とvPro搭載PCの検証(Azure未利用の場合)
Azureを新規導入する場合。Azureのサインアップから、インテル EMA(エンドポイント・マネジメント・アシスタント)用のサーバ構築に必要な環境整備までを支援。EMAサーバ環境の構築後、Azure環境を利用者に引き渡す。通常価格は45万円で、モニター価格は22万5000円。
EMAの構築・利用とvPro搭載PCの検証(すでにAzureの利用がある場合)
すでにAzureを利用中で、その中にEMAサーバを構築する場合。EMAサーバ構築に必要となるIaaSサーバ(Windowsサーバ、およびSQLサーバ)を利用者より払い出してもらい、コムチュアネットワークにてEMAサーバを構築して環境を引き渡す。必要なアカウントを払い出してもらえれば、IaaSサーバの立上げを代行も可能。通常価格は40万円で、モニター価格は20万円。
EMAの利用とvPro搭載PCの検証のみ
インテル vPro プラットフォーム導入の検討として、EMAサーバ+vPro搭載PCの利用検証のみを行う。EMAサーバはコムチュアネットワークの検証環境を利用することで、EMAサーバを構築せずにPoCを実施できる。通常価格は38万円で、モニター価格は19万円。
同社ではサービス開始を記念して、モニターキャンペーンを実施している。
これは、サービス費用を50%割引するほか、PoC期間中に最大5台までのvPro搭載PCを無料で貸与するというもの。
条件は、「PoCサービスの終了後、運用サービス利用へ向けたご提案等をさせていただくこと」と「モニター期間終了後、貴社名の公開を含む形でのモニターレポートの作成、およびコムチュアネットワークのウェブサイトとINTERNET Watch誌面で掲載」、そして「貴社個人情報を除いた形で、PoC実施状況についてインテル株式会社と共有すること」の3点に同意いただけること。募集期限は8月31日で、募集は3社を予定。応募社多数の場合は選考で、応募状況によって早期に終了したり、募集枠数が変更になったりする可能性もあるとのこと。
「支援サービス」はどう進むのか?~vPro導入に向けた、疑問点・課題の洗い出しに~
「インテル vPro プラットフォーム導入PoC支援サービス」では、受注後にまず1週間程度で利用者の要件を確認の上、サーバを構築し、EMAアカウントを作成。運用に向けてのレクチャーも行う。その後利用者は3週間~1カ月程度掛けて、PoCを行うことができる。PoCが完了後、サービスを継続する場合は、その後本番への移行に向けた支援が行われる。
こうした過程を経ることで、実際の運用前に問題点を洗い出すことができ、また利用感も確かめられる。例えば、ネットワーク構成などに起因する問題などもこの段階で確認できる。また、サービスの利用期間中はチケット制による利用者からの質問にも対応(10チケット含む)している。運用にあたっての疑問も実物を見ながら解決できるというわけだ。
なお、インテル vPro プラットフォームの運用で興味深いのは、“情報システム管理者が必ずしもオフィスにいる必要がない”ということ。遠隔操作はクラウド上のインテル EMAを介して行うため、情報システム管理者はテレワーク環境のままでもほぼ問題なく検証できる。検証対象のvPro搭載PCも、ネットワークさえ繋がっていれば、本社や支社、あるいは在宅勤務先にあっても問題ない。
そして、最終的に会社のマシン全てがvPro搭載PCになれば、情報システム管理者が自宅にいながらでも、そしてユーザーがどこにいたとしても、PCのメンテナンスを行えるようになる――というわけだ。
「弊社ではほかにもAzureやAWS 、セールスフォースなど、さまざまなサービスの運用支援を手掛けていますが、管理者をお客様のオフィスに常駐(派遣)させると、どうしてもコストが掛かってしまいます。サポートデスク業務などは弊社のサービスセンターで対応することで、ランニングコストを抑えることもできますが、そこで注目されているのがインテル vPro プラットフォームです。お客様がvPro搭載PCを利用されていれば、弊社側からマシンをより簡単に遠隔操作できるようになるので、一歩踏み込んだサポートが可能になります。常駐型と違って、営業時間外の問い合わせにも対応が可能です」(柏木氏)
以前はPCに何らかのトラブルがあり、それがWindowsリモートデスクトップなどのツールでのリモートができない、もしくはリモート操作での症状確認ができないトラブルの場合には、PC自体をサポートに送って検証したり、情報システム管理者などが現地を訪ねるケースも多かった。しかし、インテル vPro プラットフォーム搭載PCなら、遠隔で電源を入れて、BIOSまでを操作可能。これにより、ブルースクリーン画面もリモートから確認することができるので、このような手間をある程度まで削減することができる。
とはいえ、運用にあたって“情報システム管理者が社内にいる必要がない”のであれば、そもそも管理業務を社内の人間が行う必要はないのかもしれない。実際、コムチュアネットワークは「インテル IPAゴールドメンバー」に選ばれており、プラットフォームの構築だけでなく、その運用サービスも提供している。
柏木氏のコメントにもあるように、同社はvPro以外のサービスについても運用支援を手掛けているので、今回のPoC支援を利用した上で、“情報システム管理者の事業を丸ごとアウトソーシングする”というのも1つの選択肢になるかもしれない。