巨人贔屓の裁定に公平感無し!?コロナ禍のプロ野球をどうすべきか

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12球団の臨時実行委員会が28日に行われ、29日と30日のDeNA-巨人戦(横浜)の延期が決定されました。巨人は選手、首脳陣、スタッフの計77人が新型コロナウイルスの陽性判定を受けていました。

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未だチーム状態が悪く選手が揃わないことが理由ですが強行させられた球団もあります。そこに、公平性はあるのでしょうか。

「フアンの夢を壊さない」が大義では

全国で新型コロナの感染者が増加し第7波の襲来となっています。ヤクルトは28人が離脱を余儀なくされました。しかも、主力が欠けているのにも関わらず、わずか2試合を中止しただけでNPBは試合再開の判断を下します。理由は「フアンの夢を壊してはいけない」というものでした。球宴も同じ理由から強行となりました。

当初、28人(選手18人)もの選手が離脱したヤクルトが、すぐに試合を再開することに違和感を覚えましたが、「フアンの夢を壊さないために、どんなに感染者が増えても試合をやる」という決意なら仕方ないとも考えました。結果的にヤクルトは2軍選手を登録せざるを得なくなり5連敗を喫しています。

ところが、巨人は77名の大量感染のクラスターを引き起こしました。「フアンの夢を壊さない」ために強行するものと考えていましたが、NPBは球宴前3試合、球宴2試合、球宴後の2試合の中止を決定します。

俳優の谷原章介氏は、フジテレビ系「めざまし8」で、巨人対中日3連戦が延期となったことに言及します。「個人的にプロ野球ファンとして、巨人は強制終了でもって今回中止になったじゃないですか。でもヤクルトは感染者がかなり出たにも関わらず、試合はやることになり5連敗したんですよ」と訴えました。

なお、7月29日(金)時点で出場可能な巨人の1軍選手は以下の通りです。個人的には、このメンバーに2軍や3軍からリザーブすれば十分試合ができそうに思います。

捕手:小林、萩原

内野手:吉川、広岡、勝俣

外野手:ポランコ、石川、岡田、重信、ウォーカー

コロナ禍のペナントをどうすべきか

NPBは公平性が保たれていると思っているのでしょうか。元プロ野球選手で評論家の江本孟紀氏は週刊ポスト2022年7月29日号のなかで次のように述べています。

「仮にチーム内で集団食中毒が出たら、残った選手で戦わざるを得ない。それと何がどこまで違うのか。1チームに70人もいるんだから、試合をやろうと思えばできる。一軍と二軍で試合をして二軍が勝つこともある。それはそれで面白いでしょう。そういうのも含めてのペナントレースだと思いますけどね」(江本氏)

もし、巨人が再開時にベストメンバーに近いオーダーだと、他チームのファンからは不公平感が拭えないでしょう。どこのチームもベストメンバー揃うまで試合再開を先延ばししたいと思っているはずだからです。

いまの状況に公平感はありません。NPBはフアンにとっても納得できる指標を提示すべきでしょう。また、ヤクルトに試合を強行したことが誤りならそれを認めるべきでしょう。すでに、試合をする状況でないなら、ヤクルトの優勝でペナントは終了させるべきです。日本シリーズも大幅短縮でいいでしょう。

今後の開催基準を考え直した方がよいのではないでしょうか。コロナに翻弄される野球も3年目に突入しています。どういう態勢が望ましいのか議論の余地がありそうです

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