今ヨーロッパは空前の旅行ブーム。夏休みシーズンであることに加え、今年に入って多くの国でコロナ関連の規制がほぼ撤廃された。コロナ禍のウップンを晴らすかのように今、誰もがこぞって旅行へ出掛けているところなのだ。
実際に訪れてみたところ、中でも観光大国たるイタリアの混雑ぶりはスゴイ。首都・ローマの観光といえば “映画『ローマの休日』ロケ地巡り” が鉄板だが、この様子だと大混雑が予想される。ってことは……
「ローマの休日」じゃなくて「ローマの平日」に行けばいいんじゃないか?
・平日のローマ
かくして私は去る7月19日(火)、『ローマの休日』のロケ地巡りに出発した。火曜日ってのは平日の中でもとりわけ特別感のない平日、いわゆる「ド平日」である。
万が一ご存知ない方のために説明しておくと、『ローマの休日』は1953年公開のアメリカ映画。オードリー・ヘプバーン演じるアン王女が退屈な公務を抜け出し、1日だけのローマ観光に出かける……簡単に言えばそういうストーリーの映画だ。
今回私がスタート地点として選んだのは、作中で最も有名なロケ地であろう『真実の口』。ここは市の中心部から少し外れているため、先に攻略しちゃっておくと後がラクだぞ。
さて、ずいぶん静かなところだが、本当にここが『真実の口』付近なのだろうか?
ここが入り口か。おじゃましま〜す……
って人、少なっ!!!!!!
待機時間わずか2分であっさりご対面となった真実の口。まさに想像どおりのビジュアルだが、こういった場所に展示されていたとは予想外だ。拝観無料。近くに募金箱が設置されており、任意で小銭を投入していくシステム。
係員のお姉さんにシャッターを押してもらい、念願の “腕挿入ショット” をパシャリ! おそらく「平日」でなかったら、これほどじっくり撮影することは叶わなかっただろう。
真実の口が展示されているのは厳かな教会内。
みやげ屋も併設されているぞ〜!
・美しきローマ
ちなみに映画『ローマの休日』のロケ地とされる場所は、細かいものを入れると20カ所ほど。
ここまで来といてナンだが、私は “熱狂的なローマの休日ファン” というほどでもない。よって今回は特に有名なポイントだけを巡るツアーであること、ご理解いただけると幸いだ。
次の目的地まで20分ほどの道のりをトコトコと歩く。道中には「これもロケ地です」と言われれば一瞬で信じてしまいそうな建造物がゴロゴロしているぞ。
こういった街並みをのんびり眺められるのも「平日」ならでは!
次なるロケ地は約2000年前に建てられたという『パンテオン』だ。「いかにもローマ」って感じで雰囲気あるなぁ。
建物内は少し混雑しているが、待ちゼロで入場できる程度。これほど間近でパンテオンが拝めるのはきっと「平日」だけに違いあるまい。
・灼熱のローマ
それはそうと……実は現在、観測史上稀に見る猛暑がヨーロッパ各地を襲っている。この日のローマの気温は40度前後。日本と比較してエアコンの設置率が極端に低いため、街歩きの危険度は高めと言っていい。
幸いロケ地めぐりの道中にはミネラルウォーターを売る店がたくさんある。やや高めの観光地価格ではあるが、ケチらずガンガン購入していこう。でないと死ぬぞ、マジで。
パンテオンから進む道は徐々に都会的なエリアへ。途中なぜか “髪の毛編み込み屋ゾーン” が出現するなど、ゴチャゴチャしていて面白い。さらに進んだ先が……
かの有名な『トレビの泉』である!
なかなかの混雑……が、この程度なら全然イケる。
ヒョイと人混みをすり抜ければ……
まるで誰もいないかのような画像も撮影可能。「後ろ向きにコインを投げれば願いが叶う」と言われるトレビの泉。 “ポチャン” とコインの落ちる音が聞こえるのも「平日」だからこそ。
・結論として
トレビの泉から少し歩くと、アン王女がジェラートを食べたシーンで有名な『スペイン広場』にさしかかる。
一瞬「メチャ混んでる!」と感じるが、何のことはない。照りつける日差しを避けるため、みな日陰に集中しているのだ。
アン王女が座った階段は超余裕のガラ空き状態。これなら人目を気にすることなく、映画と同じポーズで写真が撮れる。全て「平日」がもたらす恩恵なのは言うまでもないこと。
残念ながら階段での飲食は禁止されているが、スペイン広場付近にはジェラートを売る店がたくさん。
並ばずにジェラートが買えるのも全て「平日」のおかげだ。
映画のクライマックスで登場した『サンタンジェロ城』にも予約なしで入場できたし……
歩いてすぐの『バチカン市国』も全然混んでいなかった。ここらで私の体力も限界に達し、今日のところは散策終了。これが休日であったなら、私はもっと早い段階で音を上げていたことだろう。
結論:ローマは休日じゃなくて平日が断然オススメ
以上、灼熱のローマからお伝えしました!
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.