アメコミヒロインのバストが表紙に占める割合は半世紀で3倍に、「ここ10年は表紙幅の30％がおっぱい」と研究者

アメリカン・コミックスの表紙を飾る女性キャラクターについての研究で、「表紙の面積に占める女性キャラクターの胸の面積」は20世紀半ばに比べて3倍以上に、「胸の谷間の露出」は2倍以上になっていることが明らかになりました。

300% Increase in Boob Size on Comic Book Cover Art
https://blog.pricecharting.com/2022/07/300-increase-in-boob-size-on-comic-book.html

「何万冊ものコミック本の表紙を収集した結果、何十年もの歳月が経過するにつれて女性キャラクターの描写が強調されるようになってきたことに気づきました」と語るのは、ゲーム価格情報の集積サイト・PriceChartingの創設者であるJ・J・ヘンドリクス氏です。PriceChartingには、ゲームソフトだけでなくコミック本の価格データベースもあります。

コミックにおける女性像が時代と共にどう変遷したのかの検証に乗り出したヘンドリクス氏は、女性が主役の作品として過去40年以上にわたって読まれてきた「ワンダーウーマン」「キャットウーマン」「レッドソニア」の3作を研究対象として選出。ヒロインの全身が描かれている表紙を年代ごとに10枚選び、バスト、バストの露出度、ウエストのサイズ、ヒップのサイズをピクセル単位で計測してデータをまとめました。

そして、計測結果が以下。左からヒロインの「胸が表紙に占める割合」「胸の露出度」「ヒップとウエストの比率」のグラフです。この結果についてヘンドリクス氏は「2010年からの10年間は、『表紙の幅の30％近くがおっぱい』という、胸が特に強調された10年間でした。この時代のカバーアーティストは大いに自由に胸を描き、その結果胸が表紙に占める割合と胸の露出度の両方がピークに達しています。その後、女性キャラクターのルックスを『正常化』しなければならないというプレッシャーにさらされたのか、2020年代に入ってからはいずれも退潮し始めました」とコメントしました。

一方、ウエストとヒップの比率は時代を通してほとんど変化しておらず、「鉛筆のように細いウエストがはやった時代と比べるとウエストは太くなったはず」と考えていたヘンドリクス氏は驚かされました。

そこで、ヘンドリクス氏はさらに12の女性キャラクターを計測対象に加え、各年代ごとに2枚ずつ表紙を選び、計15キャラクターが描かれた124枚の表紙の計測データをまとめました。その結果が以下で、グラフは「胸が表紙に占める割合(左上)」「胸の露出度(右上)」「ヒップ・ウエスト比(左下)」「バスト・ウエスト比(右下)」です。

今回の研究を通して判明した、現代のコミック(2010年以降)と初期のコミック(1940～1960年)における女性の描写の違いについて、ヘンドリクス氏は以下のようにまとめました。

・胸が表紙の面積に占める割合は3倍以上になった。
・胸の露出は2倍以上になった。特に、50％を超えるものは1970年代まで観察されず、それ以降は比較的普通になった。
・時間の経過と共に女性キャラクターのウエストは確かに「太く」なった。つまり、ウエストに対するヒップサイズは15％減少した。
・バスト・ウエスト比は変わらなかった。つまり、バストが成長するにつれてウエストも成長した。

さらに、研究全体については「今回の研究は、ここ数週間の余暇を利用して行った楽しいプロジェクトでした。統計的に厳密な検証はしていませんが、データセットを増やせば結果はより鮮明になるはずです。さらに、男性の体格が時代と共にどう変化してきたのかについても、同様の調査を行いたいと思います」とコメントしました。