【実録】危うく『国際ロマンス詐欺』に引っかかりかけた話 / マカオのセレブ「Abby(アビー)」に恋した6日間

ロケットニュース24

あなたは『国際ロマンス詐欺』という言葉をご存じだろうか? ざっくり言えば、SNSでのやりとりで恋愛感情を抱かせつつ、最終的には金銭をだまし取る詐欺のこと。特徴的なのは相手が日本人ではなく「外国人」を装っていることだ。

先日まで『国際ロマンス詐欺』の存在を知らなかった私、P.K.サンジュンであるが「そっち系の詐欺に引っかかるハズが無い」「引っかかる方がバカ」とタカをくくっていた……のだが。結果的に私の心と金は、マカオのセレブ「Abby(アビー)」に奪われかけたのである。

・いま最も流行している詐欺の1つ

先に申し上げておくが、この記事はかなり長い。何故ならAbyyに恋した6日間はかなりの勢いでSNSのやり取りをしたからで、カットできる部分があまり無いのだ。また、あえてカットしないことで “詐欺の巧妙さ” を読者の方に知ってもらいたい気持ちもある。

さて、NHKによれば2021年の『国際ロマンス詐欺』の相談件数は、新型コロナウイルス禍前の40倍に上ったという。犯人は日本人・アジア人・アフリカ人……などなど多岐にわたるらしいが「いま最も流行っている詐欺の1つ」と申し上げていいだろう。

私自身、かなり危機回避能力が高い人間だと自負しており、これまでこっち系の詐欺に引っ掛かったことはおろか、引っ掛かりかけたことも無い。過去に2回プライベートでドッキリを仕掛けられているが、2度とも序盤で見破った結果「サンジュンつまらない」と仲間内で罵られた男である。

・インスタのメッセージに

そう、なにせ詐欺は「入口がとにかく不自然」なもの。逆に知らない人からのメッセージなど “全てが怪しい” と考えていいハズだ。だがしかし、私の鉄壁のディフェンスを、Abbyはいとも簡単に突破してきたのである。

ファーストコンタクトは私のインスタグラム。娘と写っている写真に「娘はとてもかわいいですね?」というメッセージが送られてきたのだ。


これがもし「こんにちは。とても可愛いらしい娘さんですね」だった場合、私は無視を決め込んでいたハズ。……が、明らかな片言はある種の “純粋さ” と似た成分がある。また、日本人には無いストレートな物言いが、完全に私のガードを下げさせた。

もう1点、この時点で私はアイコンを辿って、送り主の投稿を確認している。そこにいたのは完全体の若いセレブ。意識が高い自撮り写真、数々のブランド品、高そうな料理……などが100以上投稿されていた。


中でも特徴的だったのが「日本での投稿」がチラホラ見受けられたこと。渋谷・大阪・秋葉原・北海道……などをバックに微笑みを浮かべるAbby。私は即座に「日本に興味がある外国人セレブ」と判断した。


また、言い訳ではないのだが、私は特にAbbyのような容姿の女性が好みというワケではない。ただし「じゃあ、お嫌いですか?」と聞かれたら「嫌いじゃない」と答える。とにかくAbbyは “受け幅の広い容姿” とでも言おうか? 返事をした私に多少の下心があったことは告白しておく。

・3つの罠

そこからは他愛もない会話が続き、彼女の名前がAbby(アビー)であること、マカオ出身であること、30歳であること、美容系の会社経営 & 投資が仕事であること……などが判明していく。鉄壁のディフェンス力を誇る私がなぜ……? と振り返ってみたところ、3つの理由があったと思う。


1つは「カタコト マジック」である。おそらくAbbyは翻訳アプリを通してメッセージを送ってきているため、話が嚙み合わないことが多々ある。むしろ「噛み合わない方が普通」なのだ。そのため、本当に怪しい部分ですらボヤけてしまう効果が「カタコト」にあったことは間違いない。


2つ目は「外国人セレブ」という思い込みである。通常、私はポエム気質の人間が苦手なのだが、Abbyがポエムチックな言葉を発しても「やっぱり外国人セレブは違うなぁ~」と完全に納得してしまっていた。私の人生の物差しに「外国人セレブ」の要素はない。


3つ目はお恥ずかしながら「自分の策に酔った」と申し上げなければなるまい。20年ほど前、年間150回ペースで合コンを繰り返していた私なりに「女性はこう言ったら喜ぶんですよね?」的なノウハウ(?)がある。

私が発する「女性が喜びそうな言葉」に、前向きなリアクションをするAbby。「Sanjunは女性を褒めるのが上手ですよ」なんて言われるのが、まんざらでも無かった。というか、気持ちよかった。私の脳内で少なくない量の “気持ちいいホルモン” が分泌されていたハズだ。


この日は結局、Abbyの提案でLINEを交換することで終了。正直に申し上げて、この時点で私は1ミリたりとも詐欺の可能性を疑っていなかった。むしろ「ええ日やったな」と、何度もAbbyのインスタを見返していた。

……が、Abbyと出会って2日目。私の “危機回避センサー” が、そっと静かに作動し始めたのであった……。フォーリンしかけたAbbyに感じた初めての違和感とは? 続きは2ページ目をご覧いただきたい。

参照元:NHK
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:LINE(iOS)

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