一般的に「留学」とは、海外に在留し学ぶことを指す。しかし現在ツイッター上では、留学先の候補として「秋田県」に大きな注目が集まっている。
秋田県は、県外の児童生徒を学びの目的で受け入れる「教育留学」の取り組みを進めている。他県との夏休み期間のずれを活用した短期留学や、滞在期間を自由に決められる長期留学などが用意されている。秋田県教育庁生涯学習課によれば、参加者のリピート率が高く、児童の満足度が高い取り組みだ。いったいどんな取り組みで、何を学ぶことができるのか。
全国学力テストでトップレベルの成績を支える「秋田の探究型授業」
秋田県は2016年度から「秋田型教育留学推進事業」を始めた。児童生徒や保護者の希望に合わせて、秋田県の豊かな自然に触れる自然体験活動や、「秋田の探究型授業」を体験できる。秋田の探究型授業について、社会教育・読書推進班の主任社会教育主事を務める佐々木泰生さんは、J-CASTニュースの取材に対して次のように説明する。
「秋田県は文部科学省が実施する全国学力テストで十数年、全国トップレベルを維持しています。それを支えるのが『秋田の探究型授業』と自負しております。これまでの教え込むような授業スタイルではなく、子どもたちが自発的に課題や問題を見出し、それを自分たちの力で解決していくものです」
用意したプログラムは、長期(オーダーメイド型)留学、短期チャレンジ留学、家族留学の3つ。長期留学は滞在期間を自由に決め、学校での学習や体験など重点的に取り組みたい内容を選ぶことができる。短期チャレンジ留学は、夏休みや冬休み期間に1週間程度、秋田の豊かな自然と探究型授業を体験できる。いずれも児童生徒のみが秋田に来県する。
家族留学は短期チャレンジ留学と近い内容だが、大人向けのプログラムも用意されており、家族で秋田を訪れることができる。22年は県東部の仙北市で家族留学を受け入れ、劇団わらび座での演劇体験、農家民宿で秋田ならではの田舎暮らし体験、秋田の探究型学習を取り入れたふるさと学習を提供。募集定員に達する申し込みがあった。
佐々木さんは、教育留学を通して子どもたちが「主体的な学び」「五感を通した学び」「人との触れ合い」を体感することができると述べる。