画期的!
チクワにキュウリを差し込んだ料理がある。正確な名前はよくわからないが、仮にチクワキュウリの略でチクキュウと呼ぶ。違う呼び方の人だという人は、自分の信じた呼び方でOKだ。
このチクキュウの画期的な作り方を教えていただいたので試してみたところ、キュウリをチクワに詰める難易度が大幅に下がった上、味もおいしくなったのだ。
チクキュウは意外と難しかった
先日、チクワにキュウリを入れるだけという、日本有数の簡単さを誇る料理であるチクキュウを作ったのだが、なんと盛大に失敗した。
自分の不器用さにびっくりした。知り合いからもらった自家栽培のキュウリを四つ割にしたものが太すぎて、チクワの穴が耐えられなかったようだ。
ちなみに近所のスーパーで買った一番安いチクワである。4本98円だったかな。
この与太話を何となくツイートしたところ、いくつかの知見が寄せられた。キュウリの大きさをチクワに合わせればいい、キュウリの角を落とすのが大事、高知のチクワは穴が大きい、レンチンするとチクワは伸びる、など。
キュウリを細く、あるいは丸くすれば解決するという正論はもっともだが、それはキュウリ側の非を認めることになる。キュウリにだってチクワを傷つけるつもりはなかったはずだ。
ここは高知まで穴が大きいチクワを買いに行って、私のチクワ選びが間違っていたんだというハッピーエンドな結論を迎えたい。
だがその検証は、高知県須崎市にある道の駅まで憧れのカツオの藁焼き体験をしにいくときに取っておいて、とりあえず試すべきはレンチンだろう。
チクワをレンチンするとすごく伸びるし、うまくもなる!
チクワを柔らかくするための適切なレンチンの時間がよくわからないのだが、なんとなく二本あたり500Wで20秒ほど温めてみた。
チーン。
当たり前だが見た目上の違いはまったくないのだが、触ってみると明らかに柔らかくなった。
チクワってこんなに柔らかくなるのという驚きがある。おでんに入っているチクワとも違うモチモチした柔らかさだ。もちろん前回と同じ商品である。
このチクワなら太いキュウリでも入るはずだと、この前と同じく角を取っていない太めの四つ割りを突っ込んでみると、チンアナゴが巣穴に戻るが如く、ペンギンが魚を飲み込むかの如く、スルスルと入っていったのだ。これは気持ちがいい。
冷たいチクワとまったく違って、温めたチクワは全然切れない!
ここまでで充分な驚きと喜びだったのだが、レンチンチクワのチクキュウを食べてみてまた驚いた。冷たいチクワに比べて圧倒的にうまいのである。
チクキュウは冷たい料理だと思い込んで、冷蔵庫から出してそのまま使っていたが、軽く温めることでチクワの食感がフワッと柔らかくなり、それが味に大きく影響するのだ。
温かいチクワと冷たいキュウリという、温度のコントラストも脳を刺激してくれる。もっと熱々のチクワにしてもよかったか。冷たい麺を熱いスープで食べるつけ麺のような、もっとオーバーに言えばアイスクリームの天婦羅みたいな驚きが詰まっているのだ。
チクキュウはチクワを軽くレンチンすべき。世の中はまだまだ知らないことばかりだなと思った次第である。
今度は細めのキュウリを買ってきて、チンしたチクワに丸ごと入れてみたいと思う。本場高知のチクキュウはそういうスタイルらしいよ。