本日2022年5月29日はLUNA SEA結成33年の記念日。さらに、今年はメジャーデビュー30周年のメモリアルイヤーでもある。そんな長い歴史の中で、ひょっとしたら、曲や演奏以上に変化しているかもしれないのがRYUICHIのキャラ。
並べて見ると本当に同一人物なのか疑うレベル。しかし、一貫しているのは、どのRYUICHIもカリスマだということだ。そのカリスマがにじみ出るMCはLUNA SEAの大きな魅力と言える。そこで33周年記念。LUNA SEAマニアに心に残ったRYUICHIのMCを聞いてみた!
・LUNA SEAマニア
LUNA SEAに生きざまを学んだ──。そう語るのはロックバンド『Palastleben』で活動するShinpei Mörishige(シンペイ・モリシゲ)。
そう、ロケットニュース24では3度目の登場になります。人呼んで……
貴 族。
実は貴族はLUNA SEAの大ファン。青春時代はLUNA SEAのVHSを買いあさり、SUGIZOの自伝に人生哲学を学んだという彼。初めてのライブ体験は『THE FINAL ACT TOKYO DOME』であり、「あの終幕から全てが始まった」と語るその瞳からは愛を超えた崇拝が感じられる。
月の満ち欠けで好きなアルバムが変わるというガチめのSLAVE(LUNA SEAファンのこと)である彼に、心に残っているRYUICHIのMCを聞いてみた。
【LUNA SEAマニアが虜になったRYUICHI伝説のMC8選】
・その1「ようこそ我がLUNA SEAの横浜アリーナへ。今日集まったSLAVE達よ。我がLUNA SEAのツアーGARDEN OF SINNERSも今日ファイナルを迎えた。お前達の力をとうとう試す時が来たぞ…………聞けぇぇい!! 我がSLAVE達よ。我らの行く手をあの天も邪魔をしているらしい。お前達の声でこの空を引き裂いてくれ。いいかぁ!! では、そんな天に一曲プレゼントします。ネクストソン…SLAVE!」(1994年2月12日横浜アリーナ)
貴族の心に刻まれたポイント:もうこのスケール感ですよね。嵐を呼ぶバンドLUNA SEAなので、悪天候は基本的にLUNA SEAのライブのアクセサリー。
天を相手に挑発的なM SEAを繰り広げるRYUICHI、最高。「我が…」をやたら乱発する仰々しさも最高。あと「聞けぇぇい!!!」って人生でなかなか使わないですよね。全部まとめて最&高。そのくらいの勢いが常にLUNA SEAにはある。
・その2「うっそーん!」(2010年12月31日神戸ワールド記念ホール カウントダウン)
貴族の心に刻まれたポイント:R「今日のLUNA SEAはあんまり機嫌よくないけどいいですかぁ!?………………うっそーん!」えー! 何そのノリ!? 聞けい!とか言ってた人が!
今思えば、この日は何かとイレギュラーが多い日だった。そもそもこのカウントダウンライブも数週間前に急遽発表されたものだったんだけど、当日もいくつかの機材トラブルに見舞われた。中でもハイライトはSUGIZOのメインギターの音が出なくなったこと。しかもカウントダウン後1曲目必殺曲『WISH』のギターソロ中に! やっぱりご機嫌斜めやーん!
↑のM SEAはその予兆を感じさせるには十分だったと言えるだろう。そう、言わばRYUICHIの予言だったのである。だが、私がこのMCから学んだことはもう1つあった。それはどんな熱いM SEAも最後に「うっそーん」をつけると面白くなるということ。というわけで、私も「我が…」と「うっそーん」は積極的に使ってます。ありがとうRYUICHIさん。
・その3「今年最後のお茶だぞーーー!」(2010年12月31日神戸ワールド記念ホール カウントダウン)
貴族の心に刻まれたポイント:同日、ステージドリンクを飲むJさんの「みんなと年越しが出来るなんて嬉しすぎて、まだお茶を飲んでいます」に対して、RYUICHIが言った「今年最後のお茶だぞーーー!」もマジ最高!!!!!!
例のごとくステージドリンクを聖水の如く、オーディエンスに浴びせるSUGIZO。それに対するRYUICHIの「みんな、そんなに濡れるのが好きなのか?」も笑いました。
でも最後のM SEA「今夜で第一期REBOOTも最終日を迎えました。今夜集まってくれた仲間達とまた、いつか何処かの空の下で、会えるように」からの『LOVELESS』で痺れて大号泣。何が起こってもおかしくないライブバンドLUNA SEAの真骨頂を感じた日でした。
・その4「みんな終電大丈夫?」(2000年12月26日東京ドーム FINAL ACT)
貴族の心に刻まれたポイント:「いけない…大事な曲をもう一曲忘れてた…………みんな終電大丈夫?(会場大合唱の大丈夫ー!!)もう一曲送りたいんだけど受け取ってくれる?」いや、ここまでこれほどに最高のライブされて断れるわけないでしょ。たとえ、終電を逃そうとも!
LUNA SEAを締め括る、終幕ライブの最後の最後まで終電を気にするRYUICHI。思い返せば、RYUICHIさんが終電を心配してくれたことは何度もあった。
日本を代表するバンドは全世界からSLAVEが集う。final actとなれば尚更だ。今考えたら、後楽園から練馬への終電だけ気にすれば良いわけではないことに気づいた。この言葉の気遣いに本当に良いバンドだなとシビれます。
また、これが私にとってリアルタイムで観た初めてのLUNA SEAライブ。会場が東京ドームでもまるでライブハウスのような距離感だったことが印象的でした。
・その5「今日はおまえら…まぁ、近くから来た奴もいるかもしれないが、遠くから来た奴もいるかもしれない」
貴族の心に刻まれたポイント:上記の気遣いに気づいたら、より一層響くようになるのが、伝説となっている昔のRYUICHIさんのM SEA。いかに退廃的かつ耽美な世界観を壊さず、みんなの終電を気にするか? final actを迎える頃には、直接的な表現になってはいましたが、表現は変わっても根っこは変わっていないんだなあと思わされます。
・その6「久し振りだな、鳥取ー!」(1998年12月10日・鳥取県立県民文化会館)
貴族の心に刻まれたポイント:ライブアルバム「NEVER SOLD OUT」収録の『Dejavu』で、聴くことができるこの煽り。カラオケでDejavuを選曲した際には、たとえそこが練馬であっても全てのカラオケ会場を鳥取県立県民文化会館に変えられる魔法の言葉なので、ぜひ試してほSEA。
むしろカラオケにおいては、ROSIERでの「スタンドー!アリーナ!ドーム全員でかかってこーい!」くらいマストの煽りと言える。
・その7「We are LUNA SEA!!(中略)Finally we are here!!会いたかったよ!みんなー!」(2010年12月4日ロサンザルス公演)
貴族の心に刻まれたポイント:2010年12月4日のロサンゼルス公演を収めた3D映画『LUNA SEA 3D IN LOS ANGELES』で聴けるこのM SEA。
遂にLUNA SEAがL.Aに降りたったんだよ……。これが感動せずにいられるか……。一度は東京ドームで華々しくも惜しまれて終幕したバンドが、今再びその伝説の続きを刻み続けてる事実に、映画館で震えた。しかも3Dでその臨場感を味わえるという。
LUNA SEAは全ての映画館をL.Aに変えた。俺が見た池袋の映画館も完全にL.Aだった。なんならカリフォルニアの太陽が熱かった。思えばLUNA SEAのライブ盤はいつだってそうだ。全てのCDプレイヤーをライブハウスに変えてくれる。これからも終わらない夢を見せてほSEA。33周年おめでとうございます!
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.