2022年5月13日公開の『シン・ウルトラマン』を見てきた。なるほどこう来たか……というか、知ってはいたが庵野さんよ。ウルトラマン、めちゃめちゃ好きですね!
・『ウルトラマン』を知らなくても楽しめる
『シン・ウルトラマン』がテレビドラマ『ウルトラマン(1966年)』のリブート作品であることは、耳タコだろう。
リブートと言っても、過去作の色をどの程度感じられるかはモノによって様ざまだ。『シン』はどうだったのか、ネタバレになるので言及は避けるが、どの層も満足できるかと思う。
つまり『ウルトラマン』を視聴済みであればより理解度が高まり、一方で見たことがなくとも十二分に楽しむことが出来る仕上がりだったのだ。
リブートの看板通りで、ゼロからはじめられるところが『シン・ウルトラマン』の魅力のひとつでもあった。その点は『シン・ゴジラ』に通じるところがあると言えるだろう。
・庵野さんのウルトラマンに対する愛情が感じられる
また、見る前から疑問だった庵野秀明さんが監督でないという点。『シン・ゴジラ』では総監督を務めていたが『シン・ウルトラマン』では、企画・脚本となっている。
その訳は見ると納得、エンドロールまで見るとさらに納得する結果となっている。企画脚本という立場だからこそ、庵野さんがやりたいことを実現できたのではないか。そうだったならば良いな、と思う。
庵野さんのウルトラマン作品に対する愛情はかねてより存じ上げていたつもりだが、それでも思わず視聴後に「そんなにウルトラマンが好きだったのか、庵野秀明。」と呟かずにはおれなかった次第だ。
・作品全体から伝わってくるウルトラマンへのリスペクト
そして『ウルトラマン』に対する愛情と尊敬の念は、庵野さんに限ったことではない。監督の樋口真嗣さんはもちろん、役者やスタッフ、みながリスペクトに満ち溢れていることは一目瞭然。
過去に『ウルトラマン』を作った人たちの思いを汲み取りつつ、現代の技術でもって表現できるところはしっかりされている。古すぎず新しすぎず、一致団結してなんとも言えない程よい点を突いていた。
どこを切り取っても、今の世に相応しい『シン・ウルトラマン』であると言えるのではないだろうか。見る側も作り手側も、『シン・ウルトラマン』をきっかけに より一層ウルトラマンが展開していくことを願うばかりだ。
光の国から僕らのために、令和の世に来たぞ、われらのウルトラマン!!